BTC、対円で高値更新も対ドルでは?
代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は2月21日23時過ぎ、対円で765万円前後と前週(7日前)から1.6%ほど低下した水準で取引されています。BTCドルが5万800ドル付近での値動きです。
この1週間も米国の現物ビットコイン上場投資信託(ETF)への資金流入は続き、BTCは対ドルを中心に上値を試しました。
BTC円は2021年11月につけた779万円台を越え、20日の東京昼過ぎには一時795万円まで過去最高値を更新。ただ、節目800万円に届かなかったからか、そこから持ち高調整とみられる売りに押されています。
※Trading Viewより
なお、BTCドルは5万3000ドル付近まで上昇しましたが、最高値6万9000ドル付近にまだ距離があります。高値を記録した2021年後半にドル円は上昇基調に入りつつありましたが、それでもまだ115円付近でした。足もとでは150円付近で取引されており、円安が大きく進んだことがBTCの対ドルと対円の差となっています。
主役はまだまだ現物ETF
以下は1週間ほど前の記事になりますが、現物ビットコインETFの影響がどれほど大きいかを示す内容となっています。
「ビットコインへの新規投資、現物ETFが75%占める・・・」コインテレグラフ
データ分析会社のレポートを紹介しており、2月前半に見られた新たなビットコインへの投資は、75%以上が現物ETFに絡んだものというのです。これには流出超の「Grayscale Bitcoin Trust(以下GBTC)」は含まれていません。
※コインシェアーズのリサーチヘッドのX
英国のデジタル資産運用会社コインシェアーズ(CoinShares)が毎週初に出すレポート「Digital Asset Fund Flows」でも、週間では過去最高の24.5億ドル(約3675億円)の資金がビットコインETFに流入したと述べています。
またレポートで示されているように、国別でも米国が圧倒的に多いことがわかります。
※コインシェアーズ「Digital Asset Fund Flows」より
お隣の国でも?
米国を中心に現物ETFが盛り上がっているなか、お隣の国ではこういったニュースが
「South Korea’s ruling party considers allowing spot bitcoin ETFs in election pledges: report」THE BLOCK
(韓国与党、選挙公約にスポットビットコインETFの容認を検討)
韓国では4月に総選挙が予定されており、与党「国民の力」が公約の1つとして、複数の暗号資産投資の認可を検討することを掲げたようです。それには現物(スポット)ビットコインETFも含まれています。
香港においても先月末にこういったニュースがありました。
「香港SFC、初のビットコイン現物ETF申請を受理=報道」コインテレグラフ
中国の大手資産運用会社・ハーベスト香港は現物ビットコインETFの申請を提出し、当局が受理したという話です。記事によれば、複数の金融機関が現物ETFの立ち上げに動き出しており、香港証券先物委員会(SFC)も前向きのようです。
東アジアの機関投資家にとっても、ビットコインへの投資がしやすい環境整備が始まっているということでしょう。
しかしながら、日本では・・・
一方で日本では、まだ暫くはビットコインETFへの投資は無理なようです。
こちらの記事「ビットコインで“大変更”が」でも、投資信託法施行令に「暗号資産を除く」という条文が入れられていることを指摘しています。米国のビットコインETFを日本で売ることもできません。
大和総研では、「ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?」というレポートを今月出しています。そこで、ビットコインの現物ETFを金の現物ETFのように取り扱うことは一考の価値があるとしています。しかしながら最後には、「何らかの法改正が必要」と結論づけています。
さて、ETFはまだ先の話のようですが、メルカリが始めたようなビットコイン決済は日本でも今後広がりを見せるかもしれません。
「メルカリ ビットコインで買い物できる新機能が開始」TECH INSIDER