ドラッグストアを展開する小売業の「コスモス薬品」と、ドラッグストアに多数の商品を置いている「小林製薬」はどちらも株主優待制度を導入しています。それぞれの会社や株主優待の特徴についてまとめました。
コスモス薬品の株主優待
株主優待の内容は変更される場合がありますが、2022年現在、権利確定日は5月と11月の年2回で、それぞれ100株以上保有する株主に、保有継続年数に応じて株主優待が贈呈されます。優待内容は、お買い物優待券かおこめ券のどちらかを選択するシステムです。
お買い物優待券は、全国のコスモス薬品店舗である「ディスカウントドラッグコスモス」で利用できます。有効期限は発行日から1年間であることと、現金への交換やお釣りは出ないことに注意してください。
おこめ券とは、全国の米屋やスーパーなどお米を販売している店舗で、1枚につき440円分のお米(1キロ相当)と引き換えることのできる券です。おこめ券はスーパーやデパートなどで販売されています。
おこめ券の販売価格は500円なので、どちらの優待内容を選択しても5000円相当の品が贈呈されます。しかし、おこめ券は引き換えられる品がお米のみであることと、実質の利用金額は4400円分になってしまうので、近くにコスモス店舗がある場合はお買い物優待券の方がお得です。
コスモス薬品(3349)
福岡に本社を構えるコスモス薬品は、西日本を中心に1000店舗以上の「ディスカウントストアコスモス」を運営しています。主に薬局として医薬品などを取り扱っていますが、食品や日用品なども取り扱っているので、スーパーやコンビニに近いイメージがあります。
2022年12月現在の株価は約14000円です。2021年9月には20000円を超える高値でしたが、その後2022年5月には約11000円まで急落しました。2022年度の配当金は1株当たり80円の実績で、2023年度は85円となる予想です。
例えば、100株購入すると投資金額は約140万円ほどで、もらえる株主優待券は1年間に10000円分です。配当金は予想通りであれば8500円なので、1年間で18500円分の利益が出ることになります。配当と優待で得られる利回りは約1.32%とあまり良くありません。
小林製薬の株主優待
株主優待の内容は変更される場合がありますが、2022年現在、権利確定日は12月と6月の年2回で、それぞれ100株以上保有する株主に5000円相当分の小林製薬商品の詰め合わせがもらえます。また、現在期間限定で、通信販売の小林製薬商品が全品10%割引になる特典付きです。
詰め合わせの内容は、届いたカタログの中から5種類のコースを元に選ぶことができます。トイレ清掃用の「液体ブルーレット」や「お部屋の消臭元」などの家庭用品や、敏感肌用化粧品「ヒフミド」などの美容・化粧品など、毎回好きな商品を選択可能です。
長期保有特典
12月の権利確定日には、3年以上連続で300株以上保有している株主を対象に長期保有特典として「復興支援選べるギフト」が追加で贈呈されます。特典内容は、震災などの被災地域の特産物をまとめたカタログギフトです。
小林製薬(4967)
小林製薬は「アイボン」や「桐灰カイロ」など、医薬品から家庭雑貨まで、誰でも利用しやすい商品から少し風変りな商品など、様々な分野の幅広い客層に向けた商品を多数展開しています。
小林製薬の2022年12月現在の株価は約8800円です。10年前は約2000円でしたが徐々に株価が上昇し2021年には11000円以上の最高値を記録しました。2022年に入ってからの株価は、約8000円~10000円の間で頻繁に変動を繰り返しています。
配当金は1999年度の年間1株当たり2.8円から、23期連続で増配を続けており、2021年度の実績は83円、2022年度は85円となる予想です。
例えば、100株購入すると投資金額は約88万円ほどで、もらえる株主優待券は1年間に10000円分です。配当金は予想通りであれば8500円なので、1年間で18500円分の利益が出ることになります。株主優待の1つである通販商品10%割引の特典を利用しない場合でも、配当と優待で得られる利回りは約2.1%です。
コスモス薬品と小林製薬の比較
コスモス薬品のお買い物優待券は、医薬品だけでなく食品や日用品にも利用できる大きなメリットがあります。関西在住の筆者にとって「ディスカウントドラッグコスモス」は馴染みのあるお店ですが、東日本には店舗数が少なく利用しづらい人もいるのが欠点です。
小林製品の株主優待は、おすすめの自社製品の中から選んだ商品が自宅に郵送されるお手軽さが人気です。ただし、詰め合わせのラインナップによっては、普段全く利用しないものが多く含まれていたり、求めていたものが無かったりすることもあります。
まとめ
コスモス薬品と小林製薬の株式は、配当が特別大きいわけではないので、株主優待目当てに投資する投資家が多いのが現状です。 株主優待の内容は魅力的ですが、優待内容の変更や権利確定日前の価格暴騰に注意して、投資先として検討してみてください。