皆さんは株主優待をどのように楽しんでいますでしょうか?著者は子どもが喜ぶので、家庭内で消費できる食品や食材を取り扱う銘柄を好んで選んでしまいます。今回紹介する「カンロ」と「不二家」もその中の一つで、株主優待はお菓子のセットやケーキ購入で利用できるお買い物券が付いていますので、解説していこうと思います。
カンロの株主優待
カンロ株式会社は、1912年に山口県光市で「宮本製菓所」として創業した、キャンディやグミなどの菓子製造・販売を行う老舗の企業です。2022年には創業110周年を迎え、キャンディ市場でシェア2位を誇り、100年以上にわたり国民的キャンディーとして親しまれています。
特にカンロの強みは、長年の経験に基づくノウハウと技術力、マーケットの要求を捉えたマーケティング力、他社が真似できない独自の商品開発力が挙げられます。また「糖」を取り扱う事業の中核として、時代の変化に応じた消費者ニーズの把握と様々なイノベーションを行い業界初のヒット商品などを生み出し続け、独自の価値を提供している会社です。
株主優待の内容は変更される可能性もありますが、2023年11月現在、権利確定月は12月の年1回行われます。株式の保有数に応じて、「カンロバラエティセット」「ヒトツブカンロ満喫セット」「寄付」を選択できる内容になっています。
例えば100株を保有している場合、1000円相当分のセットが送られて来ます。600株と1000株の区分で内容が変わってきますので、詳しくは以下のイラストをご覧ください。
カンロの株主優待はいつ届く?
12月末の決算後、翌年の4月上旬に届く予定となっています。実際に受け取った方の情報によりますと、3月頃に届くケースもあるようです。
カンロ(2216)
2023年11月現在の株価は約2100円になっています。今期の業績が好調で出来高ともに年初より上げている状況です。
また2022年7月1日より1株につき2株の割合となる株式分割を実施しています。配当の面では、前期の年間配当は31.5円(分割の調整後)でした。今期の6月は20円の配当、期末は30円で年間50円の見込みとなっています。
例えば、100株購入すると投資金額は約21万円が必要になります。配当金は年間5000円の見込みになり、配当のみの利回りは約2.4%となります。100株保有した場合、商品詰め合わせセット1000円相当分を含めると、総利回りでは約2.9%となります。
不二家の株主優待
株式会社不二家は、1910年に横浜・元町で創業された、洋菓子を中心とした菓子類の製造販売を行う老舗食品メーカーです。2008年からは山崎製パンの子会社となり、洋菓子事業、外食事業、菓子事業、飲料事業などを展開しています。
主に皆さんご存知の「ミルキー」などのキャンディー製品や「不二家洋菓子店」の運営、スーパーやコンビニエンスストア向けの洋菓子販売、レストランフランチャイズを手がけており、日本のお菓子メーカー売上高ランキングでは第6位に位置しています。
不二家の特徴は、ペコちゃんやアンパンマンなどのキャラクターやカントリーマアム、ペコのほっぺなどユニークな商品が多く、ロングセラーブランドを多数保有している点が挙げられます。100年以上にわたり、日常のおやつから特別な日のギフト菓子まで、バラエティ豊かな商品を提供している会社です。
株主優待の内容は変更される可能性もありますが、2023年11月現在、権利確定月は12月の年1回となっています。保有株数に応じて1枚500円のお買い物優待券が贈呈されます。不二家のチェーン店で使用でき、レストランで食事券としても使用できます。
例えば100株以上保有の場合は、500円券が6枚(3000円相当)が送られてきます。保有数に応じて枚数が変わってくるため、詳しくは以下のイラストをご参照ください。
不二家の株主優待はいつ届く?
決算後、翌年3月上旬に発送される定時株主総会招集の通知書と一緒に優待券が同封されます。また使用できる店舗は同封される取扱店一覧表で確認が可能になっています。
不二家の2023年11月現在の株価は約2500円になっています。年間を通して比較的安定した株価の推移を見せています。
年間予想利益は39億円でしたが、直近の発表によると30億円(前年は55.4億円)に下方修正されました。直近3ヵ月(7月から9月)の連結経常損益でも、0.8億円の赤字(前年同期は9.3億円の黒字)となり、残念ながら今期は悪化している状態になります。
配当金がもらえる基準月は12月の年1回です。2022年の前期の年間配当は30円の実績でした。そして今期も同額の30円の年間配当の見込みとなっています。直近3期は配当維持する形になります。
例えば、100株購入すると投資金額は約25万円が必要で、配当金は年間3000円となる見込みで、利回りは約1.2%になります。100株を1年以上保有した場合、お買い物優待券3000円と合わせると総利回りでは約2.4%となります。
不二家の株価とSnow Man(ジャニーズ)の関係について
多くの企業がジャニーズ事務所のタレントとの契約を見直している中、不二家は所属タレントのSnow Manの広告起用を継続しています。2020年からSnow Manを「ルック」チョコレートのCMなどのブランドキャラクターとして起用し、業績は好調を維持してきました。
しかしながら、起用継続に対して、ファミリー向け商品を扱う不二家がジャニー氏の問題を黙認しているとの批判が出ているようです。
不二家はSnow Manの起用により女性ファンの購買や来店が急増し業績が向上しましたが、Snow Man依存の状況にもなっているため株価への影響が懸念されています。また、セブンイレブンでの「ルック」の販促キャンペーンはセブン側の判断で中止されましたが、不二家はジャニーズ事務所との契約変更の予定は現時点でないとしています。
今回はお菓子やケーキで有名な「カンロ」と「不二家」の株主優待について紹介しましたがいかがだったでしょうか?
まとめ
「カンロ」は業績が好調で株価分割の実現と増配の見込みになっています。一方「不二家」はSnow Man効果もあり前期は好調でしたが、ジャニーズ問題の影響か苦しい状況になっています。ただ株主優待はとても充実していて両銘柄とも、家族で楽しめる内容ですので、検討してみてはいかがでしょうか?