居酒屋を経営する「チムニー」と「AP」は、9月末の権利確定日に株主優待が贈呈されます。株主優待は、食事券かカタログ商品のどちらかを選択できるのでおすすめです。両銘柄の株価や配当の情報のほか、株主優待廃止の噂についてもご紹介します。
チムニー(3178)
チムニーは「海鮮居酒屋はなの舞」や「さかなや道場」などの居酒屋をメインに、「焼肉だんらん」など複数のジャンルの飲食店を経営する企業です。30以上あるブランド店を、全国に約470店舗以上展開しています。
チムニーの株価と配当
2024年7月時点の株価は約1300円です。2018年まで1株約3000円前後で推移していましたが、コロナウイルスの影響で約1000円まで急下落しました。
その後は約1000円から1500円ほどの小さな株価変動を頻繁に繰り返しているものの、株価回復の傾向は、現時点では見られません。
2025年度の配当金は、1株当たり10円となる予想です。この金額は、2023年度の無配当、2024年度の5円から3期連続で増配しています。
チムニーの株主優待
株主優待は、毎年3月末と9月末の権利確定日に、100株以上保有する株主に対して、店舗で利用できる500円分のお食事券が、株式の保有数に応じて贈呈されます。お食事券は、店舗での利用以外に、チムニーが厳選した商品との交換も可能です。
贈呈されるお食事券の枚数と相当額、引換可能商品は、下記のイラストをご参照ください。なお、2024年度の株主優待は、廃止されずこれまで通り贈呈されます。
株主優待はいつ届く?
3月末の権利確定日に贈呈される株主優待は、6月下旬頃に到着します。有効期限は手元に届いてから約9カ月間の翌年3月末までですが、商品と引き換える場合は、手元に届いてから約2カ月後の8月末までに引き換える必要があります。
9月末の権利確定日に贈呈される株主優待は、11月下旬頃に到着します。有効期限は手元に届いてから約9カ月間の翌年9月末までですが、商品と引き換える場合は、手元に届いてから約2カ月後の翌年1月末までに引き換える必要があります。
チムニーの利回り
1株1300円で100株購入した場合、投資金額は13万円になります。配当金額は1000円になるので配当利回りは約0.8%です。
株主優待として年間6000円分の飲食優待ポイントが贈呈されるので、配当と優待を合わせた利回りは約5.4%となります。なお、500株保有時の利回りも同じく約5.4%です。
エー・ピーホールディングス(3175)
エー・ピーホールティングス(以下、AP)は、地鶏料理を提供する居酒屋「塚田農場」や立ち食い寿司屋「すし横」などを運営する企業です。全国に150店舗以上、海外にも約20店舗を展開しています。
食材を生産する農業や漁業、流通させる小売店、販売する飲食店のすべての事業を一貫して行っており、「生販直販」という新しいビジネスモデルを確立しています。
APの株価と配当
2024年7月時点の株価は約950円です。2022年まで1株500円以下で推移していましたが、2023年に入り約800円まで急上昇しました。
その後は約半年間かけて約1000円まで上昇を続け、2024年に入ってからは大きな株価変動もなく、約1000円前後の株価を横ばいで維持しています。
2025年度の配当金は、0円となる予想です。APは2012年の上場以来、一度も配当金を出していません。
APの株主優待
株主優待は、毎年3月末と9月末の権利確定日に、100株以上保有する株主に対して、店舗で利用できる電子チケットが、株式の保有数に応じて贈呈されます。電子チケットは、贈呈される相当額の自社商品詰め合わせギフト商品と交換することも可能です。
また、100株以上の株主に、抽選で新店舗のプレオープンや産地見学などの体験サービスも行っています。株式の保有数に応じて贈呈される電子チケットの相当額は、下記のイラストをご参照ください。
株主優待の廃止?
APの株主優待廃止の噂ですが、2023年3月末の権利確定日分より、贈呈される株主優待の内容が変更されました。その結果、廃止との噂が出たのかもしれませんが、実は変更されたことによって優待内容は大幅に拡充されています。
以前は、3月末の権利確定日に保有数に関わらず100株以上保有する株主に対し、3000円分のお食事券(電子チケットではなく紙媒体)か3キロ分のお米券のどちらか選択し、贈呈されていました。
変更後は、年2回に贈呈になったことと、保有数に応じて贈呈相当額が増額されたこと、お米以外のギフトも選択できるようになったことから、よりお得により使い勝手がよくなっています。
APの利回り
1株950円で100株購入した場合、投資金額は9.5万円になります。配当金額はありません。株主優待として年間6000円分の電子チケットが贈呈されるので、優待利回りは約6.3%となります。なお、200株保有時の優待利回りは約7.4%、300株保有時の優待利回りは約7.0%となり、最も利回りが高くなるのは200株保有時です。
まとめ
チムニーとAPはどちらも、配当金は期待できませんが、優待利回りが約5%を超える高利回り銘柄です。株主優待の内容も、店舗で使えるお食事券か、相当額のカタログ商品かを選択することができるので、居酒屋を利用しない人や近くに店舗がない人でも無駄なく利用することができます。