株主優待は、企業の魅力を知るうえで注目すべきポイントのひとつです。今回は、自分の好きな商品をWEBから気軽に選択できるという、便利な特徴を持つ株主優待を実施している「アイケイ」と「サカタのタネ」について詳しく解説します。
IKホールディングス(2722)
IKホールディングス(以下、アイケイ)は、生協で販売する食品・化粧品・雑貨などのカタログ掲載商品を、卸売販売する企業です。生協の他にも、他社通販やドラッグストアなどにも卸売を行っています。
また、自社通販サイトやテレビショッピングでの直接販売、チャットシステムの開発サポートなどのIT事業など、卸売販売以外の事業も行っています。
アイケイの株価
2025年4月時点の株価は約330円です。2017年の1年間に約300円から約2900円まで急上昇し、株価変動を繰り返しながら2022年には再び約400円まで下落しました。
2017年から2022年にかけて比較的大きな株価変動が発生しましたが、2023年以降は小さな株価変動はあるものの、300円台をほぼ横ばいで推移しています。
アイケイの配当金
2025年度の配当金は、5月末の期末配当にて、年間1株当たり8円となる予想です。この金額は、2023年度の0円、2024年度の5円から2期連続で増配しています。
アイケイの株主優待
アイケイの株主優待は、毎年5月末の権利確定日に、100株以上の株式を1年以上継続して保有する株主に対して、株式の保有数に応じて贈呈されます。贈呈される株主優待の内容は、自社商品またはお買い物券です。
自社商品の内容は選択できませんが、お買い物券は、専用サイトに掲載されている商品から、自分で好きな商品を選択して受け取ることができます。株式の保有数に応じて贈呈される株主優待の内容は、下記の一覧表をご確認ください。
今年度から変更された株主優待内容とは
2025年5月から、100株以上でもらえる株主優待内容と、1000株以上で贈呈される株主優待内容および相当額が変更となっています。贈呈内容は変更されましたが、保有期間、保有株式数に変更はありません。変更内容は下記の一覧表をご確認ください。
アイケイの利回り
1株330円で100株購入した場合、投資金額は3.3万円です。配当金は800円となり、配当利回りは約2.4%になります。また、1年以上継続して保有すると、年間2000円分の自社商品が贈呈されるため、優待利回りは約6.1%、優待と配当を合わせた利回りは、約8.5%です。
株式の保有数および保有年数に応じた配当と優待を合わせた利回りの一覧は、下記の表をご参考ください。
サカタのタネ(1377)
サカタのタネは、創業110年以上を誇る花と野菜の種を販売する企業です。種の販売先は約9割が農家などの生産者向けとなっていますが、園芸や家庭菜園用の種は、スーパーやホームセンターなど取扱店舗が多く、誰でも気軽に手に入れることができます。
研究による品種開発を強みとしており、世界各地の土地や風土に合わせた多様な品種を開発しています。その結果、世界170国以上で取引が行われ、売上の約7割が海外への販売によるものです。
サカタのタネの株価
2025年3月時点の株価は約3300円です。2012年に約1000円だった株価が、2013年頃から小さな株価変動を繰り返しながら上昇し、2022年には約5200円まで上昇しました。
しかし、その後ゆるやかな右肩下がりが続き、2024年には約3500円まで下落しました。
2024年後半からは約3500円前後をほぼ横ばいで推移していますが、小さな株価変動は頻発しており、比較的変動が大きいのが特徴です。
サカタのタネの配当金
2025年度の配当金は、11月末の中間配当で30円、5月末の期末配当で35円の、年間1株当たり65円となる予想です。この金額は、2020年度の30円、2021年度の38円、2022年度の45円、2023年度の55円から4期連続で増配した2024年度と同じ金額を維持しています。
サカタのタネの株主優待
サカタのタネの株主優待は、毎年5月末の権利確定日に、100株以上の株式を1年以上継続して保有する株主に対して、株式の保有数および保有年数に応じて贈呈されます。贈呈される株主優待の内容は、オリジナルカタログギフトです。
株主優待は、返信用ハガキもしくは三越伊勢丹が運営する外部ウェブサイトから商品を申し込むことが可能です。株式の保有数および保有年数に応じて贈呈される株主優待の内容は、下記の一覧表をご確認ください。
昨年度から変更された株主優待内容とは
2025年4月に贈呈される株主優待から、保有期間の条件が追加されました。変更により、保有年数が1年未満の株主は株主優待を受け取れなくなりましたが、保有年数が5年以上の株主は、1つ上のランクのギフトを受け取ることができるようになっています。
サカタのタネの利回り
1株3300円で100株購入した場合、投資金額は33万円です。配当金は6500円となり、配当利回りは約2.0%になります。また、1年以上継続して保有すると、年間1500円分のカタログギフトが贈呈されるため、優待利回りは約0.5%、優待と配当を合わせた利回りは、約2.4%です。
株式の保有数および保有年数に応じた配当と優待を合わせた利回りの一覧は、下記の表をご参考ください。
まとめ
今回ご紹介したアイケイとサカタのタネは、どちらも株主優待の内容が魅力的で、しかもWEBサイトなどを通じて商品を自由に選べるという利便性があります。
アイケイとサカタのタネでは、株価や配当金などそれぞれ異なる特徴がありますので、ライフスタイルや投資スタンスに応じて、それぞれ合う投資先を検討してみてはいかがでしょうか。