近鉄と西武の株主優待は、どちらも電車の乗車券と施設の割引券がもらえます。今年は、株主優待を利用して、ゆっくり電車旅を企画してみてはいかがでしょうか?両鉄道の特徴や、株主優待の詳しい内容を比較しました。
近鉄の株主優待
近鉄グループは、近畿・東海地方を広く運行する近畿日本鉄道をはじめとした鉄道の運営や、バス・タクシー、不動産、物流、百貨店、旅行・レジャーなど様々な事業を展開しています。
株主優待の内容は変更される可能性もありますが、2023年1月現在、権利確定日は3月と9月の年2回です。それぞれ近畿日本鉄道線で利用できる無料乗車券が、保有する株式の数に応じてもらえます。
また、近鉄グループが運営するレジャー施設などで利用できる割引優待券が1冊付いてきます。利用できる内容は、例えば、大阪にある「あべのハルカス」や三重県の「志摩スペイン村」の入場割引券、近鉄百貨店のお会計5%オフ券などです。
株主優待利用時の注意点
無料乗車券は、種類によって到着時期が異なり、それぞれ到着から約半年間の有効期限があり、期限の切れた乗車券は利用できません。また、乗車券と特急券は別なので、特急を利用する場合は別途特急券を購入する必要があります。
無料乗車券は磁気きっぷで、改札に入る時と出る時に改札口に入れて利用します。1駅で降りても、名古屋から大阪まで約200kmの距離を乗車しても、必要な乗車券は1枚です。乗換は何度でも可能ですが、一度改札から出てしまうと使えなくなってしまうので注意してください。
近畿日本鉄道線
近鉄線は、愛知、三重、大阪、京都、奈良、兵庫の2府4県にまたがり約500km運行する鉄道です。例えば、特急を使えば名古屋から大阪難波まで約2時間強で到着します。大阪、京都、名古屋から三重の伊勢志摩に行ける観光列車「しまかぜ」は、高級感があり近畿地方の旅行に最適です。
近鉄グループホールディングス(9041)
2023年1月現在の株価は約4500円です。2020年初めは約6000円、2022年初めは約3500円と、約2年の間に大きな変動波がありました。2022年度の配当金は1株当たり25円の実績でしたが、株価が回復傾向にある2023年度は50円となる予想です。
例えば、100株購入すると投資金額は約45万円ほどで、配当金は年間5000円となる見込みなので、利回りは約1.1%です。株主優待は乗車区間や割引優待券の利用により変化します。仮に乗車券8枚を全て名古屋から大阪難波区間で利用した場合、約2万円相当の優待となるので、総合利回りは約5.4%です。
西武の株主優待
西武グループは、東京・埼玉で運行する西武鉄道をはじめとした鉄道の運営の他、バス・タクシー、不動産、スポーツ施設、ホテル・ウエディング、レジャーなど様々な事業を展開しています。
株主優待の内容は変更される可能性もありますが、2023年1月現在、権利確定日は3月と9月の年2回です。それぞれ西武線と西武バスの一部を除く全線で利用できる無料乗車券が、保有する株式の数に応じてもらえます。
また、3年以上継続して3000株以上保有する株主に対しては、長期継続保有特典があります。特典の内容は、権利確定日ごとに株式の保有数に応じて贈呈される、無料乗車券の追加です。
さらに、西武グループが運営する施設の割引券が、株式の保有数に応じてもらえます。1000円共通割引券は、どの施設でも利用できますが、2000円ごとのお会計につき1枚利用の条件つきです。
株主優待利用時の注意点
無料乗車券は、種類によって到着時期が異なり、それぞれ到着から約半年間の有効期限があり、期限の切れた乗車券は利用できません。また、特急料金が別途必要なほか、深夜バスに乗車する際は、別途深夜バス料金の半額を支払う必要があります。
保有数が10000株未満の場合にもらえる無料乗車券は片道の磁気きっぷです。一度改札を出てしまうと利用できなくなるので注意してください。10000株以上保有するともらえる「電車全線パス」や「電車・バス全線パス」は何度でも利用可能で、ホテルの無料宿泊券と交換もできます。
西武鉄道
東京と埼玉にわたって約200kmの距離を運行する西武鉄道は、他社線との相互直通運転も行っており、通勤・通学に欠かせない重要な公共交通機関です。西武秩父から池袋間などでは、車内で食事ができる「52席の至福」も運行しており、観光にも利用されています。
西武ホールディングス(9024)
2023年1月現在の株価は約1500円です。価格変動が大きく、2022年は約1000~1500円間の変動が何度も起きました。2022年度の配当金は1株当たり5円の実績で、2023年度は10円となる予想です。
例えば、100株購入すると投資金額は約15万円ほどで、配当金は年間1000円となる見込みなので、利回りは約0.67%です。株主優待は乗車区間や割引優待券の利用により変化します。仮に3000円の割引券と、西武秩父から西武新宿間で乗車券2枚を利用した場合、4580円相当の優待となるので、総合利回りは約3.72%です。
まとめ
近鉄、西武ともに電車や旅行が好きな人にとっては、非常に魅力的な株主優待だと分かります。優待割引券は、利用すればするほどお得になるので、ぜひ詳細内容を確認してみてはいかがでしょうか。