株主優待とは、株式を発行している企業が、株式を購入してくれた株主に対しお礼として贈るサービスのことです。ここ最近は、比較的少額から始めることができたり、とても魅力的な内容の優待を出していたりする企業が増え、主婦やサラリーマンでも株主優待の恩恵を受けやすくなってきました。
しかし、普段よく利用する外食や映画館へお得に行けるような優待はあるのでしょうか?そこで、株主優待には実際どんな種類や内容のものがあるのか、詳しくご紹介します。
株主優待の種類
株主優待の内容は企業によってさまざまで、かなり多くの種類が存在します。株主優待の種類を大きく分けると、①金券、②割引・優待などのサービス券、③飲食料品・日用品関連、④カタログギフトの4種類です。
例えば、お得に外食したいときに使える○円分お食事券や、映画を観に行きたいときに使える上映チケットは、②割引サービス券に当たります。③飲食料品・日用品関連は、食品メーカーや日用品メーカーが自社製品を贈呈している場合が多いです。1つの企業が複数の種類の株主優待を出していて、株主がどの優待が欲しいか選択することができる企業もあります。
種類別の特徴
株主優待には大きく分けて4種類のジャンルがあることをご紹介しました。では実際、どの種類の株主優待がおすすめで、どんな内容が人気なのか気になりますよね。株主優待を選ぶ基準は人それぞれで、使いやすいと感じる優待の内容も、人によって異なります。そこで、次にそれぞれの種類について、どのような特徴があるのか、どのような人におすすめなのかを詳しく説明していきます。
①「金券」の特徴
出所:著者作成
金券とは、主にクオカードやギフトカードのことです。使える店舗が多く、さまざまな用途に使えるため使い勝手がよく大変人気があります。使える店舗であれば、金券を使って外食や映画を楽しむことも可能です。ただし、人気の株主優待はたくさんの人が購入したいと考えるため、購入する株式の価値が高くなりやすい傾向にあります。
また、企業によっては業績が振るわず、少しでも多くの株主を増やすために金券の株主優待を出していることもあります。その場合、株価が急激に下落したり、株主優待がいつの間にか廃止されたりする可能性が高く、投資先として非常に危険です。他にも、金券の株主優待をもらうためには○年以上継続や自社製品購入などの条件を満たす必要がある場合などもあるので、購入前にしっかり確認することが大切です。
②「割引・優待などのサービス券」の特徴
出所:著者作成
スーパー・百貨店や飲食店、娯楽施設や住宅関連会社など、さまざまなサービス業の企業がサービス券の株主優待を出しています。お得に外食や映画館に行きたいと思った場合、このサービス券の株主優待を出している企業をチェックしましょう。
ただし、金券とは異なり利用できる店舗が限られていたり、有効期限が設定されていたりすることが多いです。近所でよく利用する店舗の優待券を見つけることができればとても有効に使えますが、どれだけ利回りがよくても近くに店舗がなかったりあまり利用しないお店だったりすると、有効期限が過ぎて無価値になってしまうリスクの方が高くなるかもしれません。
③「飲食料品・日用品関連」の特徴
出所:著者作成
化粧品やサプリメントなどは、日用品関連の一種です。企業によっては、同じ株数を保有している場合、1000円分の金券か3000円分の自社製品かを選択できるところもあり、金券などよりも優待利回りが高くなる場合があります。株主優待でもらえる商品を普段からよく購入している人に特におすすめです。
ただし、優待品はほとんどの場合、株主優待がもらえることが確定する権利確定日から2~4カ月後に送られてきます。特に飲食料品に関しては大量に買いだめしたタイミングで優待品が届き、賞味期限が切れてしまったということのないよう注意してください。
④「カタログギフト」の特徴
出所:著者作成
飲食料品・日用品関連では、企業が選んだ自社製品の詰め合わせが送られてくることが少なくありません。普段利用している商品ばかり送られてきた場合はお得ですが、苦手な食材や使わない商品が入っていた場合、かなり損した気持ちになってしまいますよね。
カタログギフトはもらえる商品の種類が充実しているものが多く、好きな商品を自分で選ぶことができます。また、カタログギフトの中には、外食や映画を楽しめるサービスを選択できるものもあります。
ただし、どんな内容の商品を選ぶことができるかは、カタログギフトが届いてから初めて分かる場合が多いです。また、2500円相当のカタログギフトと10000円相当のカタログギフトでは内容の充実さが異なりますが、たくさんの株式を保有していても優待の内容が「2500円相当のカタログギフトが4冊分」という場合もあります。
まとめ
株主優待の種類と特徴についてご紹介しましたが、どの種類の株主優待に魅力を感じましたか?メリットとデメリットをまとめた上でどんな人におすすめなのか解説していますので、株主優待を選ぶときの参考にしていただければ幸いです。
また、映画館のチケットやカタログギフトなど株主優待の内容は日々変化しています。今回紹介した以外の株主優待があったり、優待内容が変更・廃止されたりすることがありますので、常に企業や証券会社のホームページなどで新しい情報をチェックしてください。