今回は会社独自の株主優待を行なっている銘柄を紹介していこうと思います。「CAICA DIGITAL」は独自の暗号資産カイカコインが贈呈され、2年前と比べて価値も微増しています。「アスカネット」の株主優待は自社の商品のフォトブックなどで利用できるため、家族写真や記念日でも活躍する内容となっていますので、参考にしていただければと思います。
CAICA DIGITALの株主優待
株式会社CAICA DIGITALは、50年以上の豊富な経験を活かして、主に金融業界を中心に様々な分野でのシステム開発及び提供を手掛けるシステムインテグレーターです。通信、制御系システムの提案・設計・開発から保守まで幅広いサービスを提供しており、暗号資産交換所の運営やブロックチェーン、NFTを用いたユニークなサービスの企画・開発にも注力している会社です。
仮想通貨取引所Zaifを運営するなど、技術革新を追求する姿勢と金融に関する深い知識を有するエンジニアチームの存在、長年にわたる技術開発のノウハウが同社の大きな強みとなっており、2021年には暗号資産関連の先進的な商品を市場に導入するなど、業界内での地位をさらに確固たるものにしています。
株主優待の内容は変更される可能性がありますが、2024年3月現在、権利確定月は4月と10月の年2回行われます。1000株以上保有している株主に対して、暗号資産のカイカコイン(CICC)が500円相当分が贈呈されます。
カイカコインは、同社によって発行された仮想通貨で、イーサリアムのブロックチェーンが元になっており、国内でも数少ない上場企業が発行する暗号資産になっています。
このカイカコインはホワイトリスト登録され他の仮想通貨よりも信頼性や安全性が担保されており、書籍、食品、一部NFTなどと交換できる内容となっています。
またカイカコインを受けるときには、Zaifの口座が必要となりますのでご注意ください。
「CAICA DIGITAL」の 上場廃止の噂と将来性は?
調べてみたところ、東京証券取引所の上場廃止と言う意味合いではなく、金融商品取引業と投資運用業の廃止が混同された内容のようです。
ただ運営するカイカコインは、自社グループや関連会社のサービスや商品購入以外の使い道がなく、あまり実用性が高いとはいえず、保有することへの将来性も不透明となっています。
また転職サイトによると、給与体系は年に1度の給与見直しと年2回の賞与支給が標準ですが、最近の業績低迷により、給料の増加がほとんど見られないとの報告が寄せられています。ただ長年培った金融システムの知見は他社よりも優位の印象です。今後の暗号資産の需要や金融業界の伸び代に依存する形になっています。
CAICA DIGITAL(2315)
2024年3月現在の株価は約65円になっています。前期の同時期は60円台で推移していましたので、1年間を通してほぼ横ばいになっています。
今期の売上高目標は63億円と前期の実績より約9億円を上回る計画がされています。10月までの累計経常利益は約39億円と赤字になっていますが、大幅に改善した形になっており24年10月は黒字化になる見込みになっています。
決算月は10月ですが、配当は過去数年に渡り4月中間、10月の期末ともに未実施となっています。今期も未実施になる予定です。
例えば、株主優待を受けられる1000株購入すると投資金額は約6.5万円が必要になります。配当金は無配ですので、配当利回りは0%となります。1000株保有で贈呈される優待券500円相当の株主優待を含めた総利回りでは約0.8%となります。
アスカネットの株主優待
株式会社アスカネットは広島県を拠点にするフォトサービス専門企業で、個人向けフォトブック、遺影用写真、空中ディスプレイなどの事業を展開しています。デジタル写真のパイオニアとして、写真加工技術に強みを持ち、IT技術の早期導入により業界内で技術革新をリードしてきました。
特に写真とデジタルの融合を強みに、表現力を深めるサービスや製品を提供し、技術とアイデアを組み合わせた新しいビジネスモデルの創出を行っています。「思いをかたちに」という企業理念のもと、革新的な技術で高い評価を国内外から獲得しています。
特に空中ディスプレイ事業では、独自の空中結像技術の「ASKA3Dプレート」を用い、映像を空中に浮かび上がらせる技術により、新たな映像表現の可能性を追求している企業です。
株主優待の内容は変更される可能性がありますが、2024年3月現在、権利確定月は4月の年1回となっています。
100株以上を保有している株主に対し、保有数に応じて1枚1000円相当の自社サービス割引利用券が贈呈される内容となっています。
「My Book」「フォトグッズ」「オートアルバム」サービスで利用で可能できますが、1回のオーダーに付き割引利用券は1枚しか使用できませんのでご注意ください。
例えば100株保有の場合は1000円相当、400株保有では2000円相当となっています。
また2000株保有で金額が変わっていますので、詳しくは以下のイラストをご参考ください。
アスカネット(2438)
アスカネットの2024年3月現在の株価は約650円になっています。前期の同時期は950円台で推移していましたが、6月頃から急落しています。
今期の売上高は前期から約7億円高い70億円の計画がされています。第4四半期累計(2-4月)の発表では、経常利益は前年比55%増の1.2億円に拡大する見込みになっています。
配当金がもらえる権利確定月は4月の年1回です。前期の年間配当は9円の実績でした。そして今期の年間配当は7円の見込みとなり、今期は残念ながらの予定となります。
例えば、100株購入すると投資金額は約6.5万円が必要となり、配当金は年間700円となる見込みで、利回りは約1.1%になります。
また100株を保有した場合の1000円相当の株主優待を含めた総利回りでは約2.6%となります。
アスカネットの急落の理由とは?
2023年6月に株価が急落しましたが、この原因は24年4月期の業績予想では、営業利益と純利益の両方で二桁の減少が発表されたことによります。この影響で、年間配当は前年比で2円減の7円になる見通しで、市場からはネガティブな印象が持たれているようです。
またフォトブック事業では、BtoBや自社のBtoC売上は堅調に増加見込みですが、OEM部門では厳しい市場環境が続くと見られています。
一方で、遺影写真やデジタル加工などのサービスを提供するフューネラル事業では、過去2年間にわたる全国の葬儀件数の増加が落ち着いたことから、この分野の利益の減少が予測されています。
まとめ
今回は他にはないオリジナル性の高い株主優待が贈呈される銘柄を紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
「CAICA DIGITAL」は暗号資産のカイカコインが贈られますが、使い勝手に賛否はあるものの今後の業界の進展によっては、価値が増加する可能性を持っています。2024年3月現在、実際に各種の暗号資産の価格が急上昇しており、アルトコインの中には数ヶ月前より100倍以上の価値が上がったものもあります。
一方、「アスカネット」は自社で展開するMyBookなどの割引利用券が送られてくるため、定期的に家族写真など撮られる方にはおすすめの内容になっています。ただし、両銘柄ともに無配と減配になっていますので、今後の業績を見通して購入検討することが必要になります。