読者の皆さんのご近所には「ビックカメラ」と「コジマ」がありますでしょうか?両社とも同じ系列のため、株主優待で贈呈される買物優待券は、互いに使用が可能となっています。
ではどちらへ投資した方がお得に株主特典を受けることができるのか、今回は利回りと使い勝手の点から比較していこうと思います。
ビックカメラの株主優待
株式会社ビックカメラは、家電量販店を中心に全国に約45店舗を展開する企業です。1978年に池袋駅北口で創業され、カメラと関連商品の販売から事業をスタートしました。現在では、家電製品に加えて、酒類、化粧品、おもちゃなど豊富な商品を取り扱っており、優れた接客、現場主導の経営、オンライン販売への注力などが特徴として挙げられます。
また、ビックカメラは大きな駅周辺に店舗を構えるイメージがありますが、後述するコジマの子会社化により、駅前型だけでなく郊外型の販売網も持ちあわせ、「家電」と「非家電」を組み合わせた商品展開を行なっています。
ちなみにですが「ビックカメラ」の「ビック」とはバリ島のスラングで、「大きい」だけでなく「中身を伴った大きさ」という意味が込められています。
株主優待の内容は変更される可能性もありますが、2024年1月現在、権利確定月は2月と8月の年2回行われます。いずれも買物優待券が贈呈されますが、8月の場合は株式の保有期間に応じて、内容が変更されるのでご注意ください。
優待券はグループのソフマップや後述するコジマ、インターネット通販サイトの「ビックカメラ.com」でも利用することができます。
例えば100株を保有している場合、1年未満の保有では年間2000円相当となり、1年以上の場合は4000円相当、そして2年以上の場合は、5000円相当と長期保有すれば増額する仕組みとなっています。
500株、1000株、10000株の保有区分によって優待の受け取れる額面が変わってきますので、詳しくは以下のイラストをご覧ください。
ビックカメラの株主優待はいつ届く?
確定月が2月末の場合は5月発送で、8月末の場合は11月に届く予定になっています。また店舗だけでなくビックカメラ.comのネット購入でも利用が可能となっています。
ビックカメラの株主優待利用時の注意点
ネットショッピングで利用した場合、「株主優待券」と「株主様お買物優待券ご利用票」を郵送することで、後日キャッシュバックが口座に振り込まれる形となります。
注文日から14日以内に行う必要がありますので、忘れずに郵送するように気をつけてください。
ビックカメラ(3048)
2024年1月現在の株価は約1400円になっています。前期の同時期は1300円台で推移していましたが、2023年12月に発表された子会社のソフマップが、OA機器や複合機などの買い取り・販売を手掛けるエーワンを子会社化することが好材料となり株価を押し上げています。
今期売上高は231.9億円と10%の大幅増を計画し、過去最高を5期ぶり更新の見込みとなっています。
配当は2月と8月の年2回実施されます。前期の年間配当は15円となっていました。そして今期は18円の増配が見込まれています。
例えば、100株購入すると投資金額は約14万円が必要になります。配当金は年間1800円の見込みになり、配当のみの利回りは約1.3%となります。100株を1年未満保有した場合ですと、株主優待を含めた総利回りでは約3.4%となり、1年以上保有した場合では約4.1%となります。
コジマの株主優待
株式会社コジマは、栃木県宇都宮市に本社を置く家電量販店で、2012年にビックカメラの子会社となりました。創業は1955年になり栃木県内での多店舗化を開始し、1984年からは関東地方への進出を行なっています。1996年の上場後の1997年に家電量販店売上高で日本一になり、2001年には家電量販店として初めて売上高5000億円を超える企業になりました。
現在、コジマは「コジマ×ビックカメラ」「ソフマップ×コジマ」「コジマアウトレット」の店舗名で、日本国内に141店舗を展開しています。以前のキャッチフレーズは「安値に挑戦」でしたが、ビックカメラ傘下になってからは「くらし応援」に変わっています。
株主優待の内容は変更される可能性もありますが、2024年1月現在、権利確定月は2月と8月の年2回となっています。2月末は100株以上保有では一律で1000円の優待券が贈呈されますが、8月には保有株数に応じて変動し、また保有期間でも内容が変わってきます。
例えば100株以上を1年未満保有している場合は年間2000円相当、1年以上保有している場合はさらに1000円分が追加され、合計で年間3000円相当となります。保有区分でも内容が変わってきますので、詳しくは以下のイラストをご参考ください。
コジマの株主優待はいつ届く?
確定月が2月の場合は、翌年5月頃に発送される予定となっています。また8月の場合は、11月頃となっています。いずれも有効期間は6ヶ月となっていますので、早めに使用するようにご注意ください。
コジマ(7513)
コジマの2024年1月現在の株価は約790円になっています。前期の同時期は560円台で株価は推移していましたが、8月の決算に向けて上昇し、その後も株価が上がっている状況です。
今期の売上高は前期と横並びながら、最終利益は5%増益が計画されています。親会社のビックカメラが好調な点もあり、連動する形で売上も安定が見込まれ株価を押し上げている要因になっています。
配当金がもらえる基準月は8月の年1回です。2023年の年間配当は14円の実績でした。そして今期も同額の14円の年間配当の見込みとなります。
例えば、100株購入すると投資金額は約7.9万円が必要となり、配当金は年間1400円となる見込みで、利回りは約1.8%になります。
100株を1年未満保有した場合ですと、株主優待を含めた総利回りでは約4.3%となり、1年以上保有した場合では約5.7%となります。
まとめ
今回は「ビックカメラ」と「コジマ」の株主優待について紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
単純な総利回りの比較では、1年未満の保有での「ビックカメラ」は約3.4%に対して、約4.3%の「コジマ」の方が高くなっています。また、最低投資金額も「ビックカメラ」が約14万円に対して、「コジマ」は約7.9万円と比較的手を出しやすい点もアドバンテージがあるかもしれません。
ただ、コジマの株主優待券は「ビックカメラ.com」で使用できなかったり、500株保有している場合では利回りが変わってきます。現時点の株価では、「コジマ」の方がお得感がありますが、近くに店舗があるかなど使い勝手を基準に考えていいかと思います。