質の高い睡眠や快適な療養環境を支えるベッドや福祉用具。国内大手のフランスベッドホールディングス(証券コード:7840)は、私たちの日々の暮らしや医療・介護の現場に深く関わっている企業です。
この記事では、フランスベッドの株主優待の内容を詳しく紹介します。また、過去の変更点についても紹介しながら、投資価値があるか判断できるように業績や株価についても解説します。
フランスベッドへの投資を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
フランスベッドの株主優待の内容
フランスベッドホールディングスの株主優待は、毎年3月末時点の株主を対象に年1回実施されます。
特徴的なのは、優待を受け取るためには200株以上の株式保有が必要であるという点です。優待内容は保有期間と株式数に応じて設定されており、株主はいくつかの選択肢の中から希望するものを選ぶことができます。
【優待内容の選択肢】
①自社グループ製品の贈呈
②自社グループ製品(カタログギフトのような形式)
③株主優待専門サイトで使える優待買物割引券
④羽毛布団リフォーム利用券
⑤社会貢献団体への寄付
【保有期間と優待内容】
・200株以上保有 / 保有期間1年未満:シルバーコース
3,000円相当の①自社グループ製品
・200株以上保有 / 保有期間1年以上5年未満:ゴールドコース
上記②~⑤の選択肢の中から1点(10,000円相当)を選択
・200株以上保有 / 保有期間5年以上:プラチナコース
上記②~⑤の選択肢の中から1点(15,000円相当)を選択
毎年6月下旬頃に「株主優待通知書」が送られてきます。この通知書に従い、翌年の3月末までにウェブサイトや電話などで希望の優待を申し込むか、指定の利用券を使用する方式です。
2025年5月時点の株価(1,200~1,300円)で考えると、優待の最低取得ラインである200株を保有するためには約24万~26万円の資金が必要です。
保有期間が長くなるほど商品額の高い優待品を選べるようになるので、長期的に企業を応援する株主を重視する姿勢がうかがえます。
過去にフランスベッドの株主優待は改悪された?
2019年2月27日に株主優待制度の変更が発表され、翌年から内容が変更されました。この変更に対し、一部の投資家からは「改悪だ」との声が上がりました。
改悪と捉えられた経緯として、優待取得の最低株数が従来の100株から200株へと引き上げられたことがあげられます。優待を目的に最低単元で投資していた個人株主にとっては、優待を受けるために追加で株式を購入する必要がありました。
会社側は優待券の転売問題やそれに伴うコスト増、事務処理の煩雑化などを変更理由の1つとして挙げています。
しかし、現在も200株以上を長期で保有する株主に対しては10,000円~15,000円相当の優待品や割引券が提供されており、利回りで見ると依然として魅力的です。
フランスベッドの基本情報
フランスベッドホールディングスは、日本を代表するベッドメーカーであり、インテリア健康事業とメディカルサービス事業を柱とする企業グループです。質の高い寝具や家具を提供しており、長年にわたり多くの人々に親しまれてきました。
主な事業セグメントは「インテリア健康事業」と「メディカルサービス事業」です。
インテリア健康事業では、家庭用の高級ベッドやマットレス、リビングソファ、ダイニングセット、寝装品、健康器具などの製造・仕入れ・卸売を行っています。全国にショールームを展開し、一般消費者向けの販売のほか、ホテルなど法人向けのトータルプロデュースも手がけています。
メディカルサービス事業は、医療・介護用ベッドや福祉用具(車いす、歩行器など)の製造・仕入れ・レンタル・販売などを行っています。福祉用具メーカーとして在宅介護や施設介護を支えており、病院や介護施設向けのリネンサプライ供給など幅広いサービスを展開。
近年では、メディカルサービス事業に経営資源を重点的に投入し、より良いサービスや製品を提供できるように力を入れています。また、グループ会社を通じてペット市場への参入や、除菌機能糸を使用した商品開発など新たな取り組みも見られます。
株価と業績推移
フランスベッドの直近5年間における株価と業績の推移は、以下のとおりです。
参照:Traging View
フランスベッドホールディングスの株価は、過去10年間を見ると800円~1,400円程度のレンジで推移しています。
大きな成長期待で急騰するタイプの銘柄ではありませんが、業績や配当の安定性がある程度評価されてると考えられます。
業績を見ると売上高・営業利益・経常利益ともに、ここ数年は堅調に推移し、増加傾向です。主力のメディカルサービス事業が、高齢化社会を背景とした在宅介護需要の増加や、病院・施設向け取引の好調さにより業績を牽引しています。インテリア健康事業は、物価上昇による消費マインドの低下などの影響を受けつつも、高機能・高価格帯商品の販売やホテル向け販売などが底堅く推移しています。
配当金
直近5年間における一株あたりの配当金推移は、以下のとおりです。
2021年3月:30円(配当利回り3.1%)
2022年3月:33円(配当利回り3.82%)
2023年3月:36円(配当利回り3.4%)
2024年3月:39円(配当利回り3.03%)
2025年3月:40円(配当利回り3.07%)
配当金はここ数年、連続して増配されており、株主還元への意識の高さがうかがえます。過去5年の配当利回りも3~4%程度で推移しているため、株主優待と合わせると魅力的な総合利回りが期待できます。
まとめ
フランスベッドホールディングスの株主優待は、200株以上の保有と保有期間によって内容がグレードアップする仕組みが特徴です。
企業としては国内大手のベッドメーカーであり、高齢化社会の進展を背景にメディカルサービス事業が安定的に成長しています。業績も堅調に推移しており、株主への配当も連続増配と、株主還元にも積極的な姿勢を見せています。
大きな値上がり益を期待するよりは、株主優待と安定配当による総合的なリターンを期待するのに向いている銘柄と言えるかもしれません。質の高い睡眠や健康に関心のある方、安定した配当と実用的な優待を求める方にとっては、魅力的な投資先の1つといえます。