「吉野家の株主優待の内容や業績について知りたい」「株主優待が改悪されたって本当?」
そんな疑問を持つ方に向けて、外食系優待銘柄として注目される吉野家の魅力を詳しく解説します。
吉野家の株主優待は2022年に変更され、金額的に損をした人もいれば「よりお得になった」と感じる人もいるという、評価の分かれるポイントが見えてきます。
また、吉野家ホールディングスは牛丼だけの会社ではありません。近年は女性やファミリー層を意識した新しい店舗づくりを実施。さらにラーメン・冷凍食品など未来に向けた新たな挑戦も始まっています。企業の動向を知ることで株主優待だけでなく、吉野家の将来性にも目を向けられるようになります。
本記事では吉野家の株主優待の内容・制度変更の実情・業績と配当の動向・将来の成長戦略について初心者にも分かりやすく解説します。ぜひ参考にしてみてください。
吉野家の株主優待の内容
吉野家ホールディングスは毎年3月末と8月末の年2回、株主に対して自社グループ店舗で利用できる株主優待券を発行しています。
優待券はグループの系列店で利用でき、吉野家系列店をよく利用する方や節約志向の個人投資家には実用性が高い優待です。
■優待の内容
■優待の権利確定日と優待券の受け取り時期
・2月の株主は5月上旬ごろに発送
・8月の株主は11月上旬ごろに発送
■優待券が利用できる店舗
・吉野家
・はなまるうどん
・そば処吉野家
・うまげな
・さぬき麺屋(鷲宮直売所)
・讃岐うどんの心 つるさく
・讃岐うどん高松勅使
・竹清
・東京肉芝
・さぬき麺市場(イオンモール羽生店)
・PIZZA&WINE カヤバール
・とりの助
など
優待券は全国のグループ系列店が対象になっており、テイクアウトや店内飲食のどちらでも利用可能です。ただし、一部では取り扱いできない店舗もあるため、事前に店舗に確認しておくことで、利用できないといったトラブルを防げます。
なお、2025年3月時点の株価は3,000円前後で推移しているので、優待取得条件である100株には約30万円の資金が必要です。
吉野家の株主優待変更後は改悪されたのか?
吉野家の株主優待制度は、2022年に内容が変更されました。以前の制度と比べて一部の投資家から「改悪ではないか」との声があがったのも事実です。
■変更前の株主優待
以前の株主優待の内容を比較すると100~199株保有でもらえる優待券は合計で1,000円のマイナスになりました。
優待総額が減少したことに加えて、優待券1枚あたりの金額が上がったため、以前のように少額の食事でも柔軟に使えるという利便性が損なわれたという声があります。
一方で、200株以上を保有している人にとっては、以前と比べて優待金額が増えている側面もあります。
優待目的で100株だけ購入した投資家にとっては改悪と感じる投資家もいますが、企業の成長を長期で応援したい投資家にとっては優待の内容が充実してお得になっているのです。
もちろん購入資金には限度があるので、200株以上を購入するかどうかは企業価値をしっかり見定めてから判断しましょう。
吉野家の基本情報~時代の変化やニーズに対応して変化する経営~
株式会社吉野家ホールディングス(証券コード:9861)は、1899年(明治32年)に創業した、日本でも有数の歴史を持つ外食企業です。主力ブランドの「吉野家」は全国に約1,200店舗、海外には約100店舗を展開しています。
国内店舗のほとんどは自社で運営しており、他の外食チェーンと比べてサービスの品質やブランド管理がしやすい特徴を持ちます。売上の6割以上、利益の7割以上を稼ぐのがこの吉野家ブランドでグループの中心的存在です。
その吉野家では「クッキング&コンフォート(C&C)店」と呼ばれる新しい店舗スタイルを増やしています。従来のカウンター型店舗とは異なり、ドリンクバーやおしゃれな内装を取り入れ、女性や若い世代も入りやすい雰囲気を目指しています。実際に、こうした店舗では来店数が増えており、今後も拡大が期待されています。
また、商品メニューも幅を広げているのも特徴です。牛丼だけでなく、野菜を組み合わせた健康志向メニュー「ON野菜」や、噛む力が弱い高齢者向けの「やさしいごはん」シリーズなど、様々なライフスタイルに対応した商品を提供しています。
さらに吉野家ホールディングスは、牛丼以外の分野にも積極的に取り組んでいます。例えば「世田谷」などのラーメンブランドを展開し、牛丼・うどんに続く第3の柱として育成中です。うどん専門店である「はなまるうどん」も、郊外の駐車場付き店舗を中心に出店を進めており、順調に店舗数も増やしています。
さらに、廃棄される野菜を粉末化して再利用する食品ロス削減の取り組みなど、環境への配慮にも力を入れています。
吉野家ホールディングスは、伝統の味と信頼を守りながら、時代の変化やニーズに対応した成長戦略を進めている注目の外食企業です。
株価と業績推移
吉野家の直近5年間における株価と業績の推移は、以下のとおりです。
参照:Traging View
吉野家の直近5年間における業績と株価の推移です。データから見えるのは、2021年の赤字転落を底に、着実に業績を回復してきたという流れです。
営業利益・経常利益は2023年~2024年にかけて大きく改善され、回復基調が鮮明になっています。ただし、2025年2月期の予想ではやや減益の見通しであり、原材料費や人件費の高騰リスクにも注意が必要です。
配当金の推移
直近5年間における一株あたりの配当金推移は、以下のとおりです。
2020年2月:20円(配当利回り0.93%)
2021年2月:0円(配当利回り0%)
2022年2月:10円(配当利回り0.42%)
2023年2月:10円(配当利回り0.43%)
2024年2月:18円(配当利回り0.57%)
吉野家の配当金は近年増配傾向にありますが、依然として利回りは1%未満と低水準です。
業績回復に伴う増配余地はあるものの、配当よりも成長投資を重視する戦略が見られます。配当金を主な収入として期待する投資には向いていない点に注意が必要です。
まとめ
吉野家の株主優待はグループ系列店で使える割引券がもらえるため、多くの個人投資家に人気があります。2022年の制度変更後は「改悪」との声もありますが、200株以上所有する吉野家を応援したい投資家にはプラス材料ですので評価は分かれています。
企業としては新業態「C&C店」の展開やラーメン事業の強化、健康志向の商品開発、環境対応など時代の変化に応じた多角的な成長戦略を打ち出しています。
株主優待だけでなく、中長期の視点で検討する価値のある銘柄です。