不動産株であるファースト住建と日本ハウスは、高配当株として投資家から注目を集める存在です。今回は、不動産株の特徴をご紹介するとともに、注目を集めているファースト住建と日本ハウスの業績や株価、配当金、株主優待の内容について詳しくご紹介します。
不動産株の特徴
不動産業界は、業績が景気によって大きく左右される傾向にあります。業績によって株価が変動する場合が多く、不動産業界の株価は、景気によって変動しやすいのが特徴です。
2025年時点では、今後の政策金利の上昇が予想されています。金利が上がると不動産業界の業績は下がる傾向にあるため、今後の不動産株は伸び悩む可能性があります。
ファースト住建(8917)
ファースト住建は、戸建て分譲住宅や注文住宅、分譲・賃貸マンションを販売する企業です。関東地方から九州地方までのエリアで事業を展開しており、年間1000棟を販売しています。特に関西地方での販売実績はトップクラスを誇ります。
2024年度の売上高は約360億円、経常利益は約18億円でした。2025年度は売上高が約480億円、経常利益は約28億円とどちらも増収・増益となる予想です。
ファースト住建の株価と特徴
2025年3月時点の株価は約1100円です。2020年頃に一時的に約700円まで下落しましたが、2013年から2024年までの株価は、約1000円から約1800円の範囲で推移しており、小さな変動が頻発しています。
不動産株は株価変動の大きな銘柄が多いですが、ファースト住建は比較的株価変動が小さいのが特徴です。
ファースト住建の配当金
2025年度の配当金は、4月末の中間配当で21円、10月末の期末配当で22円の、年間1株当たり43円となる予想です。この金額は、2017年度から8期連続で同金額を維持しています。
ファースト住建の株主優待
ファースト住建の株主優待は、毎年4月末と10月末の権利確定日に、100株以上の株式を1年以上継続して保有する株主に対して、株式の保有数に応じて贈呈されます。贈呈される株主優待の内容は、クオカードもしくは揖保乃糸詰め合わせです。
株式の保有数に応じて贈呈される株主優待の内容は、下記の一覧表をご確認ください。
ファースト住建の利回り
1株1100円で100株購入した場合、投資金額は11万円になります。配当金額は年間1株当たり43円のため4300円となり、配当利回りは約3.9%です。
なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2021年度は約3.6%、2022年度は約3.8%、2023年度と2024年度はともに約3.9%となります。毎年、配当利回りが3%を超える高配当銘柄であることがわかります。
また、1年以上継続して100株を保有した場合、株主優待として年間1000円分のクオカードが贈呈されるため、優待利回りは約0.9%、配当と優待を合わせた利回りは約4.8%になります。300株を保有した場合は年間4000円相当のギフトが贈呈されるため、優待利回りは約1.2%、配当と優待を合わせた利回りは約5.1%です。
日本ハウスホールディングス(1873)
日本ハウスホールディングス(以下、日本ハウス)は、日本全国で主に檜を用いた木造戸建て注文住宅を販売する企業です。また、分譲戸建て住宅や分譲マンション、リフォーム、投資用住宅の販売、トランクルームの運営など、不動産に関する様々な事業を展開しています。
2024年度の売上高は約129億円、経常利益は約15億円の赤字でした。2025年度は売上高が約351億円、経常利益は約18億円とどちらも増収・増益となる予想です。2024年度は赤字経営でしたが、2025年度は例年並みに業績が回復する見込みとなっています。
日本ハウスの株価と特徴
2025年3月時点の株価は約350円です。約80円から約840円の間で大小さまざまな株価変動が何度も発生しています。2022年以降は、小さな変動を繰り返しながら右肩下がりの傾向が続いています。
株価の最高値がそれほど高くないため、大きなリスクは少ないものの、不動産株の特徴として株価変動は比較的大きい傾向があります。
日本ハウスの配当金
2025年度の配当金は、10月末の中間配当で5円、4月末の期末配当で6円の、年間1株当たり11円となる予想です。この金額は、2024年度の5円から増配しています。
日本ハウスの株主優待
日本ハウスの株主優待は、毎年4月末の権利確定日に、1000株以上の株式を保有する株主に対して、スープセットが一律で贈呈されます。こちらのスープセットは、日本ハウスの公式サイトにて税込み3240円で販売しています。
日本ハウスの利回り
1株350円で100株購入した場合、投資金額は3.5万円になります。配当金額は年間1株当たり11円のため1100円となり、配当利回りは約3.1%です。
なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2021年度は約3.7%、2022年度は約4.7%、2023年度は約2.9%、2024年度は約1.6%でした。2022年度までの配当利回りは4%前後と高配当でしたが、業績悪化に伴い配当利回りも低くなっています。
また、1000株を保有した場合、株主優待として年間3240円分の商品が贈呈されるため、優待利回りは約0.9%、配当と優待を合わせた利回りは約4.1%になります。
まとめ
ファースト住建と日本ハウスホールディングスは、それぞれ異なる特徴を持つ不動産株です。高配当を重視する方はファースト住建、今後の株価上昇や業績改善を期待する方は日本ハウスに注目してみてはいかがでしょうか。
この記事が、不動産株への投資を検討する際の参考になれば幸いです。