3月に決算を迎える企業への株式投資が注目される時期になりました。せっかく株式投資するなら、株主優待がもらえる企業への投資を検討しませんか?今回は、株主優待としてクオカードが贈呈される「日本取引所」と「朝日放送」の2銘柄についてご紹介します。
日本取引所グループとは
日本取引所グループとは、株式などの売買をはじめとした金融商品市場の事業を展開しており、2013年に日本最大の証券取引所である東京証券取引所グループと、日本最大のデリバティブ取引所である大阪証券取引所が、経営統合して誕生した総合取引所会社です。
デリバティブとは、貴金属取引などの金融派生商品のことで、大阪証券取引所は現在、大阪取引所の名前で市場デリバティブ専門取引所になっています。その他、東京商品取引所とJPX総研、日本取引所自主規制法人、日本証券クリアリング機構も日本取引所グループの子会社です。
日本取引所の株主優待
株主優待の内容は変更される可能性もありますが、2023年1月現在、3月の決算時に100株以上保有する株主を対象に、株式の継続保有年数に応じてクオカードが贈呈されます。継続保有年数は、3月と9月の株主名簿に掲載された回数が、1年以上の場合は3回、2年以上の場合は5回、3年以上の場合は7回の時のことです。
日本取引所(8697)
2023年1月現在の株価は約1800~2000円です。特に2020年から2022年は株価変動が大きく、1700円台から3000円台までの大きな変動波が何度もありました。現在株価は少し落ち着いていますが、営業利益はほぼ横ばいです。
株価の高かった2021年度の配当金は1株当たり68円、2022年度は72円の実績でした。2023年度の配当金は1株当たり62円となる予想です。若干の減配ではありますが、配当性向60%程度の高い目標を掲げています。
例えば、1株1900円で100株購入した場合、投資資金は19万円で配当金による年間の利益は6200円となり、配当利回りは約3.26%です。投資初年度の株主優待は1000円相当分贈呈されるため、年間の利益は配当金と合わせて7200円相当となり、総合利回りは約3.79%とかなり高利回りになります。
なお、初年度の総合利回りは約3.79%ですが、1年以上2年未満の総合利回りは約4.32%、2年以上3年未満の総合利回りは約4.84%、3年以上継続時の総合利回りは約5.37%です。長期保有することでさらなる高利回りが見込めます。
朝日放送グループとは
テレビ朝日、ABCテレビなどの系列局を放送している「朝日放送テレビ」、AMラジオの放送を行う「朝日放送ラジオ」、CSデジタル放送の「スカイA」などの子会社を持つ認定放送持株会社です。
その他にも、テレビ番組や演劇等の企画・制作をする事業やイベント、ゲームなどの開催、アニメーション制作にキャラクター雑貨の販売など、メディアに関する事業を多数展開しているだけでなく、住宅展示場やゴルフ場の運営など幅広く事業を行っています。
朝日放送の株主優待
3月の決算時と9月の中間決算日の年2回、100株以上保有する株主を対象に株式の保有数に応じて贈呈されます。変更される可能性もありますが、2023年1月現在のところ、優待内容は番組特製クオカードです。番組特製クオカードは、朝日放送グループの系列局番組がイラストされており、デザインが毎回変更される楽しみを味わうことができます。
朝日放送グループホールディングス(9405)
2023年1月現在の株価は約650円です。1000円を超える高値がついていた時期もありましたが、600~700円台を推移していることが多く、現在株価はほぼ横ばいとなっています。大きな利益や成長はあまり見込めませんが、暴落や倒産のリスクが低く、堅実な業績を出す印象です。
業績の良かった2019年度の配当金は1株当たり28円でしたが、2020年度は18円、2021年度は10円と減配が続きました。2022年度は業績が若干回復し、1株当たり24円の配当実績でしたが、2023年度は再び減配し16円となる予想です。
例えば、1株650円で100株購入した場合、投資資金は6.5万円で配当金による年間の利益は1600円となり、配当利回りは約2.46%です。株主優待は年間1000円相当分贈呈されるため、年間の利益は配当金と合わせて2600円相当となり、総合利回りは約4%の高利回りになります。
まとめ
株主優待でクオカードがもらえる3月決算おすすめ銘柄の「日本取引所」と「朝日放送」についてご紹介しました。どちらも自由な用途に利用できるクオカードがもらえる点と、高利回りな点が特におすすめのポイントです。ぜひ投資先として検討してみてはいかがでしょうか?