株主優待といえば、毎年継続して実施されるものが一般的ですが、実は「今期限定」の特別な優待も見逃せません。今回は、2025年5月末の権利確定日に実施される記念優待に注目し、「アウン」と「テーオー」の2銘柄をご紹介します。
アウンコンサルティング(2459)
アウンコンサルティング(以下、アウン)は、検索エンジン最適化(SEO)や検索連動型広告(PPC)、ソーシャルメディア広告などのマーケティング事業を行っている企業です。海外サイト向けのグローバルマーケティングに力を入れています。
アウンの株価
2025年4月時点の株価は約250円です。2006年には約6000円の値が付いていましたが、2008年には約300円まで急下落しています。その後は、約100円から約600円ほどの間で一時的な株価変動はあるものの、約200円前後をほぼ横ばいで推移しています。
アウンの配当金
2025年度の配当金は無配当となる予想です。アウンの配当金は、2013年度以降、無配当が続いています。
アウンの株主優待と記念優待
アウンの株主優待は、現時点で実施されていません。しかし、2025年度は、11月の決算にて上場20周年を迎えることを記念し、記念優待が実施されることになりました。
記念優待は、5月末の権利確定日に、500株以上保有する株主に対し、5000円分のクオカードが贈呈されます。さらに、5月末の権利確定日から半年以上継続して株式を保有する条件を満たすと、11月末の権利確定日に、さらに5000円分のクオカードが贈呈されます。
11月末の記念優待だけを受け取ることはできません。また、途中で保有株式が500株以下になった場合も、11月末の記念配当を受け取ることができなくなるため、注意が必要です。
アウンの利回り
1株250円で500株購入した場合、投資金額は12.5万円になります。2025年度は、年間最大10000円分のクオカードが贈呈されるため、優待利回りは約8.0%になります。なお、5月末の記念優待だけを受け取った場合の優待利回りは約4.0%です。
テーオーホールディングス(9812)
テーオーホールディングス(以下、テーオー)は、日産自動車および三菱自動車の正規ディーラーとしての自動車販売・修理事業、ホームセンター「イエローグローブ」の運営、木材・建材の販売および建設工事業、カードローン提供、家具専門店の運営、保険代理店事業など、多岐にわたる事業を展開しています。
テーオーの株価
2025年4月時点の株価は約290円です。2006年には約1600円の値が付いていましたが、ゆるやかな株価変動を経て2019年には約650円まで下落しました。2020年に約200円まで急下落して以降は、約200円から約500円ほどの間で小さな株価変動を繰り返しています。
テーオーの配当金
2025年度の配当金は無配当となる予想です。テーオーの配当金は、2018年度以降、無配当が続いています。
テーオーの株主優待と記念優待
テーオーの株主優待は、2019年度から中止されており、現時点で実施されていません。しかし、2025年度は、会社設立70周年を迎えたことを記念し、記念優待が実施されることになりました。
記念優待は、5月末の権利確定日に、100株以上保有する株主に対し、2000円分のクオカードが贈呈されます。
テーオーの利回り
1株290円で100株購入した場合、投資金額は2.9万円になります。2025年度は、年間2000円分のクオカードが贈呈されるため、優待利回りは約6.9%になります。
アウンとテーオーは今投資すべき?
アウンとテーオーはどちらも、2025年5月末の権利確定日までに投資することで、今期限定の記念優待を受け取ることができます。優待利回りが高いため、記念優待を目的とした短期投資の好機といえるでしょう。
ただし、アウンはここ数年赤字決算が続いているため、長期保有には適していません。利回りは非常に高いですが、投資先として検討する場合は、リスクも高いことを理解した上で慎重に検討することをおすすめします。
テーオーは業績悪化に伴い、2018年以降無配当が続き、2019年以降株主優待制度が中止されていましたが、ここ数年の業績は回復傾向にあります。今後、株価回復とそれに伴う配当金や株主優待制度の復活が期待されます。
まとめ
アウンとテーオーの記念優待は、いずれも2025年5月末限定で実施される特別な株主優待です。高い優待利回りは魅力的ですが、いずれの企業も無配当が続いており、長期保有を前提とした投資には慎重な判断が求められます。
とはいえ、短期的に記念優待を活用したいという方にとっては、非常に効率の良い投資機会とも言えます。5月末の権利確定日までに投資すれば、クオカードがもらえるチャンスです。この限定的なタイミングを活用することも、ひとつの選択肢として検討されてはいかがでしょうか。