今回は連続増配が期待できる「小林製薬」と、魅力的な商品詰め合わせを提供する「アース製薬」について紹介します。どちらもCMや広告などでお馴染みの商品を展開しており、投資初心者にも親しみやすい銘柄となっています。ただし、「小林製薬」の紅麹の問題がでており、連続増配が懸念されるところです。今期のそれぞれの配当と株主優待について詳しく紹介していきます。
小林製薬(4967)
小林製薬株式会社は、1893年に創業された家庭用薬品や日用雑貨の製造・販売を手掛ける企業です。「熱さまシート」や「ナイシトール」など、消費者のニーズに応じたユニークな商品を多数開発し、家庭での健康管理や日常生活の快適さをサポートすることを目的としている会社です。特徴は高いブランド認知度と消費者の希望に応えた豊富な商品ラインアップにあり、常に市場のニーズを先取りし新商品を次々と投入することで、消費者の支持を獲得しています。
特に商品の研究開発に力を入れており、新しい健康サポート商品を続々と開発する点が強みになっていますが、国内市場に依存している点や、競争が激しい日用品市場でのシェア争いが課題となっています。今後も消費者のニーズに応える新製品の開発と海外市場の拡大を図ることで、持続的な成長が期待されている企業です。
小林製薬の利回り
小林製薬の2024年5月現在の株価は約5600円となっています。前期の同時期は8000円台で推移していましたが、株価が下降している状況です。配当は6月と12月の年2回実施され、前期の年間配当は101円となっていました。そして今期は年間配当103円の予定となり、実現すると2円の増配となります。
例えば1株5600円で100株購入した場合、投資金額は約56万円が必要となり、年間で受け取れる配当金は10300円になります。配当金の利回りは約1.84%となります。また、年間10000円相当の株主優待を受け取ることができるため、総利回りは約3.6%となります。
小林製薬の株主優待
株主優待がもらえる権利確定月は6月と12月の年2回です。100株以上を保有する株主には、保有期間に応じて10000円相当(5000円が年2回)の自社製品詰め合わせが贈呈されます。この優待品は日常生活で役立つ商品が多く含まれており、非常に人気の特典となっています。
また、他には通信販売製品の10%割引券や、長期保有者向けの特典などが準備されていますので、詳しくは以下のイラストを参照ください。
小林製薬の強みと弱み、将来性は?
小林製薬の強みは高いブランド認知度と豊富な商品ラインアップに加え、消費者のニーズを的確に捉えた製品開発力にあります。また安定した業績と25期に及ぶ連続増配を続けている点が挙げられます。一方で、国内市場に依存している点や、競争が激しい日用品市場でのシェア争いが課題と言われています。今後も消費者のニーズに応える新製品の開発と海外市場の拡大を図ることで、継続的な成長が期待されている企業です。
小林製薬はどうなる?紅麹はなぜ健康被害をもたらすのか?
小林製薬が製造および販売する「紅麹」成分入りのサプリメント摂取後に健康被害が報告され2023年3月22日に製品の自主回収を発表しました。健康被害の原因として考えられているのは、青カビが生成する「プベルル酸」という化合物ですが、これがどのように製品に含まれ、なぜ腎臓に影響を及ぼすのか、実はまだ明らかになっていません。
この報道で、小林製薬の株価は急落することとなり、業績の着地見込みも変更される予定です。ただし、現時点での連続増配と優待については中止の発表は行われていません。
アース製薬(4985)
アース製薬株式会社は、1913年に創業され、家庭用殺虫剤や衛生用品を中心に製造・販売している企業です。「アースノーマット」や「アースジェット」など、家庭用殺虫剤市場で高いシェアを誇り、口腔ケアやスキンケア商品も展開しています。長年にわたり培ってきた技術力と高品質な製品ラインアップが特徴で、特に殺虫剤分野では豊富な商品バリエーションを持ち、消費者からの高い信頼を得ている会社です。
また、環境に配慮した商品開発にも力を入れており、研究開発に積極的に投資することで、常に市場のニーズに応える新製品を提供できる体制を整えている点が強みとなっています。しかしながら、殺虫剤分野に依存しているため、季節変動や天候の影響を受けやすい点が課題と言われています。今後は技術革新と新製品開発に注力し、市場シェアの拡大と新たな需要の創出を図られることが期待されている会社です。
アース製薬の利回り
アース製薬の2024年5月現在の株価は約4500円となっています。前期の同時期は5000円台で推移していましたので、若干株価を下げている状況です。配当は12月の年1回実施され、前期の年間配当は118円となっていました。そして今期は年間配当120円の予定となり、実現すると2円の増配となります。
例えば1株4500円で100株購入した場合、投資金額は約45万円が必要となり、年間で受け取れる配当金は12000円になります。配当金の利回りは約2.7%となります。また、100株以上3年未満保有の年間4000円相当の株主優待を受け取ることができるため、総利回りは約3.6%となります。
アース製薬の株主優待
株主優待がもらえる権利確定月は6月と12月の年2回です。3年未満保有の株主には2000円相当、3年以上保有の株主には3000円相当の商品詰め合わせが贈呈されます。6月と12月の商品詰め合わせ製品が変わっており、人気の特典になっています。
アース製薬の株主優待はいつ届く?
6月の場合は9月に株主優待が届く予定となり、12月は翌年3月の予定となっています。
アース製薬の強みと弱み、将来性は?
アース製薬の強みは、殺虫剤市場での高いシェアと技術力、そして幅広い製品ラインアップです。環境に配慮した製品開発に注力している点も消費者からの支持を集めています。一方で、殺虫剤分野に依存しているため、季節変動や天候の影響を受けやすい点が課題と言われています。今後は季節性の製品に頼りすぎない製品開発がより求められています。
まとめ
今回は「小林製薬」と「アース製薬」について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?「小林製薬」は今期の増配が実現すれば、26期連続増配となります。しかしながら紅麹もあるため、業績予想は不明となっていますが、現時点では増配計画自体の取り消しは行われていない状態です。株価は下落した分、増配と合わせて見込みの利回りが向上していますが、今後の状況も踏まえて、慎重に検討いただければと思います。