株主優待は、実際にお店で使えるお得な特典として人気がありますが、「使えない」・「改悪された」という噂が出ると、不安を感じる方も多いでしょう。
今回は、リーズナブルな価格設定で人気の高い「マクドナルド」と「ペッパーフードサービス(いきなりステーキ)」の株主優待内容について、最新事情に迫ります。
日本マクドナルドホールディングス(2702)
日本マクドナルドホールディングス(以下、マクドナルド)は、ハンバーガーレストランを経営する企業です。リーズナブルな価格設定でありながら高クオリティのスイーツも販売しており、幅広い世代から支持されています。
マクドナルドの株価
2025年5月時点の株価は約6200円です。2017年から2022年の株価は約5000円前後を推移していましたが、2023年から上昇し始め、2024年には約7000円の高値が付きました。その後は、株価変動を繰り返しながら、ゆるやかな右肩下がりとなっています。
マクドナルドの配当は12月の期末決算
2025年度の配当金は、12月末の期末配当にて、年間1株当たり56円となる予想です。この金額は、2022年度の39円、2023年度の42円、2024年度の49円から3期連続で増配しています。
株主優待は夜マックには使えない?
マクドナルドの株主優待は、毎年6月末と12月末の権利確定日に、100株以上の株式を1年以上継続して保有する株主に対して、株式の保有数に応じて贈呈されます。贈呈される株主優待の内容は、商品引換券です。
株式の保有数に応じて贈呈される株主優待の内容は、下記の一覧表をご確認ください。1冊につきバーガー・サイドメニュー・ドリンクの引換券がそれぞれ6枚ずつ付いています。
夜マックのバーガーは、レギュラーメニューと比べて単価が高くなっていますが、レギュラーメニューと同様に引換券1枚との交換が可能です。引換券が使えない商品には、マックカフェ商品やスイーツ、朝マックセット、数量限定商品の一部などが挙げられます。また、デリバリーやモバイルオーダー、タッチパネルでの注文では使えません。
株主優待の改悪はトマト廃止?
2023年12月末の権利確定日分から、1年以上継続して保有する条件が追加されました。優待内容は変更ありませんが、保有期間の条件が加わったことで、改悪になったと感じる人が多いようです。
また、2025年3月に3枚まで無料でトッピングできたトマトのトッピングが廃止になりました。最大120円分の無料トッピングサービスが終了したことで、実質的に優待内容の改悪と受け取られています。
マクドナルドの利回り
1株6200円で100株購入した場合、投資金額は62万円です。配当金は5600円となり、配当利回りは約0.9%になります。また、1年以上継続して保有すると、年間で引換券2冊(最大約17000円相当)の株主優待が贈呈されます。そのため、優待利回りは最大約2.7%、優待と配当を合わせた利回りは、最大約3.6%です。
ペッパーフードサービス(3053)
ペッパーフードサービスは、低価格で本格的なステーキが味わえる「いきなり!ステーキ」を展開する企業です。その他にも、「炭焼ステーキくに」や「かつき亭」などのステーキを中心としたレストランチェーン店の経営も行っています。
ペッパーフードサービスの株価
2025年5月時点の株価は約210円です。2016年までは約600円以下だった株価は、2017年から上昇し始め、約1年間で約7000円まで急騰しました。
しかし、2018年頃から下落し始め、2020年には約500円まで下がりました。その後も、多少の株価変動はあるものの、ゆるやかな右肩下がりが継続しています。
配当金は無配当
2025年度の配当金は、無配当となる予定です。ペッパーフードサービスの配当金は、2020年度以降、5期連続で無配当が続いています。
株主優待は海外のいきなりステーキで使えない?
ペッパーフードサービスの株主優待は、毎年6月末と12月末の権利確定日に、500株以上の株式を保有する株主に対して、株式の保有数に応じて贈呈されます。贈呈される株主優待の内容は、お食事券または自社商品です。
株式の保有数に応じて贈呈される株主優待の内容は、下記の一覧表をご確認ください。
お食事券は、ペッパーフードサービスが展開する店舗にて利用できます。ただし、いきなりステーキは海外にも店舗を構えていますが、海外店舗でお食事券は使えないため注意が必要です。利用可能店舗はホームページにて予め確認することをおすすめします。
株主優待は改悪?廃止?
ペッパーフードサービスの株主優待は、2022年12月に一度廃止されています。しかし、2024年12月に再開、2025年6月に贈呈回数を年1回から2回に拡充に変更となりました。
株主優待の廃止後には株価が大きく下落しましたが、その後の優待内容の充実により、現在は株価回復が期待されています。ただし、株価回復が見込めない場合、再度改悪や廃止の可能性も考えられます。
ペッパーフードサービスの利回り
1株210円で500株購入した場合、投資金額は10.5万円です。配当金はありませんが、年間で約6000円相当の株主優待が贈呈されるため、優待利回りは約5.7%になります。株式の保有数に応じた優待利回りの一覧は、下記の表をご参考ください。
まとめ
マクドナルドは、非常に人気の高い優待ではありますが、モバイルオーダーやマックカフェ商品など、使えない場面が意外と多いのは気になるところです。
一方、ペッパーフードサービスは、「いきなりステーキ」をはじめとしたほぼ全ての店舗で利用できる点、以前の廃止から一転して優待が復活した点、利回りが高い点など、メリットが多くあります。
優待内容に多くのメリットがある一方で、株価の下落が続いている点には注意が必要です。それぞれのメリット・デメリットをしっかりと把握した上で、投資先を検討してみてはいかがでしょうか。