日本橋や新宿、横浜、大阪、京都などを中心に展開する老舗百貨店で有名な高島屋。株主優待は買い物で便利な割引券であり、2024年8月末に株式分割してから、個人投資家目線で受け取りやすくなりました。
そこで本記事では、高島屋の株主優待の内容を徹底解説します。さらに直近の業績や配当の状況を解説するので、購入するかどうかの参考にしてみてください。
高島屋の株主優待の内容
高島屋の株主優待は、グループ店舗の買い物に利用できる10%割引券です。1単元(100株)を所有すると優待券が受け取れるため、2024年10月21日時点の株価1,222円をもとに計算すると、約13万円分の株式を購入する必要があります。
優待券が使える店舗は、以下のとおりです。(2024年10月時点)
・高島屋
・岡山高島屋
・高崎高島屋
・ジェイアール名古屋タカシマヤ
・いよてつ高島屋
・JU米子高島屋
・タカシマヤ通信販売
・高島屋オンラインストア
優待券の有効期間は半年間であり、株式の取得時期によって年1回自宅へ郵送されてきます。
・2月の株主は5月下旬ごろ
・8月の株主は11月下旬ごろ
なお、一部のブランド品(ルイヴィトン・ロレックス・シャネル・ゲーム機本体など)とギフトカード、タバコ、地銀、ディズニーストアでは優待券を利用できません。優待券を利用する際は、購入を予定している店舗や公式サイトを確認しましょう。
高島屋の株主優待は改悪ではなく受け取りやすくなった
高島屋は2024年8月末日を基準日にして、株式を1→2株へ分割しました。そこで一部から改悪されたとも声がありましたが、実態をみると優待券取得条件が拡大されたため、受け取りやすくなったことがわかります。
以下の表は、株式分割前後における株主優待の受け取り条件です。
株式分割前に50株所有した状態であれば、2024年8月末日で株式分割によって100株の所有条件を満たせます。したがって、2025年2月の権利分から割引券の受け取りが可能です。
分割前の半分の資金で1単元(100株)を購入できるので、優待目的で購入する時に投資額を大幅に節約できます。
高島屋【8223】の基本情報
高島屋は小売業・百貨店で業界第3位の老舗企業です。国内外で百貨店やショッピングセンターを展開し、近年は都市開発や海外進出、金融サービスにも力を入れています。
主な事業内容は、以下のとおりです。
・百貨店事業:国内13店舗・海外4店舗(シンガポール・上海・ベトナム・タイ)に展開
・商業開発業:子会社の東神開発が運営し、国内は都市開発
・金融事業:高島ファイナンシャル・パートナーズが運営
とくに高島屋をはじめとした百貨店事業が営業利益の9割を占めており、良くも悪くも百貨店の売上によって業績が左右されます。ここ数年の動向は、以下のとおりです。
2018年:バンコク・サイアム高島屋オープン
2019年:日本橋本館グランドオープン
2020年:米子高島屋譲渡、港南台店閉店
2022年:H2Oリテイリングとの資本提携解消
2023年:立川店閉店
2024年7月:岐阜高島屋閉店
高島屋の株価と業績推移
高島屋の直近5年間における株価推移と業績は、以下のとおりです。
参照:Traging View
2021・2022年2月期は新型コロナウイルス流行による外出自粛の環境下にあり、営業利益を大きく減らしました。しかしながら、2023年からはインバウンドの需要も重なり、業績は大きく回復。2025年度の当期利益予測は、前年比20%増の見込みです。
光熱費や人件費の上昇もありますが、それ以上に業績の好調さによって利益を伸ばしています。
高島屋の配当
直近5年間における一株あたりの配当金推移は、以下のとおりです。
・2020年:24円
・2021年:24円
・2022年:24円
・2023年:26円
・2024年:37円
高島平の配当利回りは、ここ2年間は1%台中盤で推移しています。高配当銘柄ではありませんが、今まで減配した記録はなく安定した配当収入が期待できるでしょう。
また2024年は業績の向上に伴い、予定より大幅に配当金を増額しています。2025年2月の決算期でも今の業績をキープできれば、増配に踏み切るかもしれません。
まとめ
高島屋の株主優待は2024年8月に実施した1→2株への分割以降、今までの購入額の約半分で100株取得できるようになりました。
全国にある高島屋系列店で利用できる10%割引券は、まとめ買いに大変お得です。業績をみてもコロナ禍後の2022年以降はインバウンドの需要増加も含めて、右肩上がりに推移しています。高島屋の今後の業績に期待したい方は、株主優待の利用も含めて購入を検討してみてはいかがでしょうか。