3月に決算を迎える企業への株式投資が注目される時期になりました。せっかく株式投資するなら、株主優待がもらえる企業へ投資を検討しませんか?今回は、株主優待として食品が贈呈される2つの企業についてご紹介します。
ニッスイグループとは
「大きな大きな焼きおにぎり」などの冷凍食品や、「おさかなソーセージ」などの練り製品で有名なニッスイグループは、日本のみならず、海外にも多くの食料品を輸出する大手水産・加工食品会社です。
水産事業や食品事業のノウハウを活かし、サプリメントや健康食品などを開発するファインケミカル事業、船舶の建造・運航などの海洋関連・エンジニアリング事業、食品輸送などの物流事業など、多岐にわたる事業を展開しています。
ニッスイの株主優待
株主優待の内容は変更される可能性もありますが、2023年1月現在、3月の決算時に500株以上保有する株主を対象に、株式の保有数に応じて自社製品の詰合せが贈呈されます。毎年7月頃に届きますが、詰め合わせ内容を選択することはできません。
ニッスイ(1332)
2023年1月現在の株価は約530円です。約400~600円台の間に落ち着いていることが多く、株価変動はそれほど大きくありません。また、2022年度は物価高や円安の影響を大きく受けた企業が多い中、ニッスイの売上高や利益率は伸びています。
2022年度の配当金は、1株当たり14円の実績でした。2018年度以降3年連続増配かつ配当性向も高くなっており、2023年度の配当金もさらに増配かつ配当性向を高くした、1株あたり16円が還元される予想です。
例えば、1株530円で100株購入した場合、投資資金は5.3万円で配当金による年間の利益は1600円となり、配当利回りは約3.02%です。株主優待がもらえる500株を購入した場合は、投資資金が26.5万円で配当金は8000円、株主優待は3000円相当分なので、年間11000円の利益となり、総合利回りは約4.15%となります。
エア・ウォーターとは
エア・ウォーターは、主に産業ガスの販売やエネルギー事業をメインに行ってきた「ほくさん」「大同酸素」「共同酸素」の3社が合併して、2000年に誕生した化学メーカーです。産業ガスとは、酸素や窒素、水素、ヘリウムなどのことで、医療やものづくりの原料など幅広く利用されます。
現在は産業ガス販売やエネルギー事業の他にも、医療やヘルスケア関連事業、消火や空気呼吸器などの防災関連事業、加工食品・農産などの食料品関連事業、ガス・貨物・食品・医療などの幅広い物流事業など、数多くの事業を行っています。
エア・ウォーターの株主優待
株主優待の内容は変更される可能性もありますが、2023年1月現在、3月の決算時に1000株以上保有する株主を対象に、株式の保有数に応じてカタログギフトが贈呈されます。また、カタログギフトをもらう代わりに、相当金額を寄附することも可能です。
カタログギフトは、毎年6月末頃に行われる定時株主総会の後に発送される、決議通知書類に同封されています。カタログギフトの内容は、エア・ウォーターグループの自社商品で、飲料やハム、ケーキや果物などの食料品です。
エア・ウォーター(4088)
2023年1月現在の株価は約1500~1700円です。株価変動はそれほど大きくありません。1株2000円を超えていた時期もありましたが、2020年以降は1500~1700円台のやや右肩下がり傾向にあります。ただし、売上高や経常利益は右肩上がりと、業績は伸びているので、投資のタイミングとしては絶好のチャンスかもしれません。
2022年度の配当金は、1株当たり56円の実績で、2023年度も同額となる予想です。毎年ではありませんが、約2年に一度増配しており、過去15年以上一度も減配していません。それでも配当性向が30%を切っている年が多く、今後も増配が続くのではないかと予想されます。
例えば、1株1600円で100株購入した場合、投資資金は16万円で配当金による年間の利益は5600円となり、配当利回りは約3.5%です。株主優待がもらえる1000株を購入した場合は、投資資金が160万円で配当金は56000円、株主優待は3000円相当分なので、年間59000円の利益となり、総合利回りは約3.69%となります。
まとめ
3月決算で、食料品の株主優待がもらえる2つの銘柄についてご紹介しました。ニッスイは自社製品の詰合せがランダムで発送される楽しみがある点、エア・ウォーターはカタログギフトから好きな商品を選択することができる点がそれぞれの違いでありメリットです。
ただし、2つの銘柄とも、100株保有では株主優待をもらうことはできません。特にエア・ウォーターは株価が高い上に1000株以上保有する必要があるので、投資資金に余裕のある方に検討してほしい銘柄です。