FRB議長の捜査…北朝鮮やロシア化するトランプ大統領
先週、為替(金融)市場にとってサプライズとなったのはパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長に対する刑事捜査です。
昨年夏にFRB本部の改修工事について行った議会証言についての捜査ということですが、パウエル議長も「前例がない」と述べているように、このようなことで司法省が捜査するというのは聞いたことがありません。
トランプ米大統領は関与していないと否定していますが、司法省のこの動きを知らないわけがありません。
任期が迫っているFRB議長職ですが、このような捜査を行うということは、現行のFRBメンバーや今後就任するメンバーなどに、トランプ米大統領の思うような金融政策を行わない場合は政治的に職を奪うことができるという脅しになります。
また、FRBだけでなく、多くの公職の職員もトランプ政権に楯突いた場合は、同様のことが起きるという恐ろしいメッセージでもあります。
これまで、北朝鮮やロシアなど独裁色の強い国では、いつのまにか国の要職のメンバーがいなくなっていましたが、同様のことをトランプ大統領も行おうとしています。
昨年8月に住宅ローンの不正使用という理由で、初めて大統領から解任するという事態に陥ったクックFRB理事も、民主党支持者で気に食わないから解任されたとのうわさも真実味があります。
日銀の恥ずかしいまでの沈黙
このようなことが起こり、これまでは沈黙を守ってきたパウエル議長も動画で反論を開始しました。
それだけでなく、多くの米国以外の中銀が、中銀の独立性がいかに重要かということで、パウエル議長を支持を表明しました。
ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁をはじめ、英国・カナダ・豪州・ニュージーランド・スウェーデン・スイス・ノルウェー・デンマーク・南ア・インドネシア・韓国など、多くの国がパウエル議長支持を表明し、共同声明を発表しました。
一方で、日銀は沈黙したままです。
それどころか、16日の日経新聞によると「共同声明に加わるか政府と協議をしたという」と報じられています。
これは、非常に問題があります。
独立性が重要な中央銀行が、わざわざ政権と協議をするということは、自ら日銀は政府の了承がないと行動できませんと言っているにほかありません。
これまでも、第117回「日銀には独立性がないことを知らないでやってはいけない」に記載していますが、改めて日銀は政府から独立した機関ではないということです。

(特に外圧による)政治状況次第で金融政策や為替を判断すべき
第176回「結局外圧が左右することを忘れずにやってはいけない」にも記載しましたが、前回の日銀の利上げはベッセント米財務長官から受けた外圧だと理解しています。
同記事にも記載しましたが、昨年1月の利上げ以後CPIは2月3.0%、3月3.2%、4月3.5%、5月3.7%、6月3.3%、7月3.1%、8月2.7%、9月2.9%、10月3.0%となり安定して2.0%を超えていたにもかかわらず、利上げを渋っていました。
しかし、米国の外圧で政権が利上げを支持するまでは、日銀は動きたくても動けなかった状況でした。
ここまで、露骨に政府の意向を聞く中央銀行はトルコ、中国、ロシアや日本だけでしょう。
上述のパウエル議長支持を表明した国は特に独立性が保たれています。
ここで言いたいのは、政府や日銀批判だけではなく、為替で儲けるために何を見るべきかということです。
生真面目に日本の経済指標を見ていても、上述のように安定して中銀のインフレ目標を上回っても、日銀は動きません。
みなくてはいけないのは、日銀ではなく政権の動向です。
「利上げするのはあほ」と述べていた高市首相ですが、首相という立場になった場合は外圧とくに米国の圧力には屈して利上げを認めました。
今後も、日銀関係者が何を思おうが、政治家次第で金融政策は変わりFXも動くでしょう。
また、その政治家も自分のポリシーよりも米国の政治的圧力には屈することを知らないでやってはいけないません。
改めて今回の共同声明への沈黙で、日銀のスタンスが理解できたので、FX取引も日銀より政治および外圧次第ということになるでしょう。



