先週末も神経質に動いた米雇用統計
米雇用統計はこの数十年に渡って為替市場・金融市場で最も注目されている経済指標の一つです。
先週9日に12月の米雇用統計が発表されましたが、為替・債券市場は結果により上下を繰り返しました。
為替市場では、12月の結果は、失業率が予想より低下したことでドル買いに反応。
しかし、非農業部門雇用者数変化が予想より悪化したことでドル売りに。
さらに、過去2カ月分も下方修正されたこともドルの押し下げ要因になりました。
(その後は他の要因でドル買いになりました)
トランプ大統領の影響で信用性をさらに失う
この雇用統計については、以前やってはいけないこれだけの理由 第160回「雇用統計を妄信してやってはいけない」に記載しましたが、信頼性を失いつつあります。
昨年8月1日に発表された同指標で、過去2カ月分の修正があまりにもショッキングな内容で、これまでの1.6万人増加が25.8万人減少と大幅に下方修正されました。
この結果に怒ったトランプ大統領は労働省労働統計局(Bureau of Labor Statistics=BLS)局長を解任してしまいました。
その影響や米政府機関の一部閉鎖もあり、市場も徐々に雇用統計を見るべき数値に迷いが出てきています。
パウエルFRB議長も「我々は月6万人程度の過大計上があると考えている」と発言するほどになっています。

更に今回酷かったのが、雇用統計発表前日8日にトランプ大統領が雇用統計の内容をSNSに投稿してしまったことです。
大統領は前日に統計の結果のブリーフィングを受けているから、このようなことが起こってしまったわけです。
特に、上述のようにBLSはトランプ支持者で固められているわけですので、数値の信頼性がさらに失われています。
止められない大統領の動向を逆手に取るべきか?
これまでの常識がまったく通じないトランプ大統領ですので、自分に都合の悪いことは決して言いません。
(逆に、まったく根拠のないことを平然と人前で述べるのも日常茶飯事です。
南アの大統領の前で、南アで起こった虐殺ではない写真をみせて、南アは酷いと言い放ち、その後の修正も謝罪もありません。
ネットの世界と同じで、嘘を言い続ければ真実になってしまうような様相です。)
自分の手柄となるものは、通常あり得ない経済指標の内容を前日に平気でSNSにあげるのがトランプ大統領です。
逆に、今後発表される経済指標で、トランプ政権にとって良くない(悪い)経済指標となる場合は、トランプ大統領は前日にSNSに何も投稿しないのかもしれません。
止められないトランプ大統領の動向は、SNSに投稿がない場合は逆手にとってドル売りの取引ができる可能性があるのかもしれません。
いずれにしろ、ここまで米国の大統領が常識を超えていることで、その行動を逆手にとってFXもやらないではいけないでしょう。



