今回解説していく通貨は豪ドル円(aud/jpy)です。昨年4月からの上昇トレンドは依然として継続しており、直近の高値も上抜けたことで30年以上続いた60-110円のゾーンを上抜ける可能性が出てきました。次の上値目標は1990年につけた122円台となります。
ファンダメンタルズを確認すると、豪準備銀行(RBA)は今年2月に金融引き締めに転じており、次回(5月)理事会で3会合連続での利上げが実施される可能性もありそうです。
今後の豪ドル円の相場焦点:RBAは3会合連続利上げの可能性も
まずは豪州の現在の金融政策状況を確認していきます。
豪準備銀行(RBA)は2025年2月に金融緩和を開始。2025年8月に政策金利を3.60%まで引き下げましたが、2026年2月から金融引き締めへと転じました。現在の政策金利は4.10%です。
●RBAは3月に開催された直近の会合で政策金利を4.10%へと引き上げましたが、その際の声明文では
・インフレはしばらくの間目標を上回って推移する可能性が高い
・リスクはインフレ期待を含めてさらに上振れ方向に傾いた
・中東の情勢展開は引き続き非常に不確実、幅広いシナリオの下で世界および国内のインフレに上乗せとなる可能性がある
などの見解が示されました。
声明文では「本日の政策決定は5対4の多数決で決められた(4名は金利据え置きを主張)」なども明らかになり、公表直後には豪ドル売りの反応も見られました。ただ、ブロックRBA総裁はその後の会見で「利上げのタイミングに関して票決が割れたが、追加引き締めが必要であるという点では全てメンバーが一致」と強調。強いインフレ警戒姿勢を示しており、金利先物市場では次回(5月4-5日)RBA理事会での追加利上げを7割程度織り込んだ状況にあるようです。
豪ドル円の週足分析:上昇トレンドは一段と急激なものに
下図のチャートは豪ドル円の週足チャートになります。

現在は昨年4月からの上昇トレンド(チャート上の青色実線)内で推移。さらにそこから上昇の勢いが加速し、昨年10月からの上昇トレンド(チャート上の黄色実線)と捉えることもできるでしょうか。
チャート下部に追加した「DMI」で確認しても+DI>-DI(上昇トレンド)、トレンドの強さを示すADXも20数年来の高水準に位置しており、こちらも文句なしといったところです。
基本的には昨年10月からの上昇トレンドラインに沿った押し目買い戦略が有効です。トレンドラインを割り込んだ場合でも昨年4月からの上昇トレンドに移行するだけと見なすことができますが、同線は現時点で105円台に位置しているため、理論上ですが6円程度の調整リスクがあることだけは覚えておきましょう。
豪ドル円の月足分析:次の上値目標は1990年高値の122.70円
今度はより長期的な視点からも豪ドル円の動きを確認していきましょう。下図のチャートは豪ドル円の月足チャートになります。

目先の主要なレジスタンス水準を上抜けたことで、次の目標は1990年につけた高値122.70円(チャート上の青色実線)となります。1990年の高値をつけた後、概ね30年以上も60-110円の値幅で上下を繰り返してきたわけですが、いよいよ水準を大きく切り上げるフェーズに移るのか注目です。
今後の取引材料・変動要因をチェック:中東情勢と物価統計に注目
最後に今後1カ月間の重要イベントも確認しておきます。日・豪ともに金融イベントを消化したばかりで、期間内に金融政策決定会合は予定されていません(次回の日銀は4月27-28日、RBAは5月4-5日)。
直近の会合では両中銀ともに中東情勢の緊迫化とエネルギー供給懸念によるインフレ圧力を警戒する声が目立ちました。物価統計などで具体的な影響が確認できた場合、一段とタカ派姿勢を強める可能性があるため、中東情勢の行方だけでなくインフレへの波及具合に関しても注目しておきましょう。
その他のイベントは以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
・3月25日 豪州 2月消費者物価指数(CPI)
・4月24日 日本 3月全国CPI




