萩原工業と巴工業は、増配を続けながら配当利回り4%近くを保っている、ものづくり銘柄の高配当株です。今回は、政投銀と資本提携した萩原工業と、過去最高の業績を見込む巴工業を比較し、配当や株主優待、株価の動きを解説していきます。
萩原工業vs巴工業
下記の一覧表は、萩原工業と巴工業の株価、配当の権利確定日、配当金額、配当利回り、株主優待、今年度の業績予想の比較です。2社とも株価は約2000円、配当利回りは約3.8%で、ほぼ同じ水準の高配当株です。
配当の権利確定日は、2社とも4月末と10月末の年2回です。2026年は10月31日が土曜日のため、権利付き最終日(この日までに買えば配当の権利を得られる最終日)は10月28日(水)となります。

萩原工業(7856)
萩原工業は、工事現場などで使われるブルーシートをはじめ、土木・建築向けの樹脂シートを主力とする企業です。また、コンクリートの補強繊維「バルチップ」や、フィルムを切り分ける機械の製造・販売も行っています。
萩原工業の業績
2025年度(2025年10月まで)の売上高は約319億円、本業のもうけは約15億円でした。2026年度は売上高が約350億円となり、本業のもうけは約21億円と、前年度より4割以上増える予想です。
一方で、2026年度の手元へ残る最終利益は、前年度にあった工場建設の補助金がなくなる分、約16%減る見通しです。
萩原工業の株価は過去最高値を更新、政投銀と資本提携
2026年9月末時点の株価は約2000円です。2022年には約1000円まで下がった時期もありましたが、その後は上昇が続き、2026年9月には一時約2100円と、上場してから最も高い水準をつけました。
9月に最高値をつけたきっかけは、9月7日の発表と考えられます。好調な決算とあわせて、日本政策投資銀行(政投銀)との資本業務提携(出資を受け、事業でも協力する約束)を発表しました。
政投銀は政府が全額を出資する金融機関です。萩原工業が持っている自社の株を政投銀に買ってもらう形で、政投銀は株の約3.3%を持つ筆頭株主(いちばん多く株を持つ株主)になります。萩原工業は、そのお金の一部を製品の増産に使う予定になっています。
萩原工業の株主優待は廃止を撤回、2027年から300株以上に
萩原工業の株主優待は、2026年10月末の権利確定日に、100株以上保有する株主に対し、保有株数に応じて1000円相当以上の商品が贈呈されます。保有数に応じて、QUOカードや岡山県産の果物などから選べ、寄付を選ぶことも可能です。
もともと株主優待は2026年10月末で廃止する予定でしたが、多くの株主から続けてほしいという声が寄せられ、9月に継続が決まりました。今年の10月末は保有期間を問わず100株以上なら対象で、今から100株を買っても1000円相当を受け取ることができます。
ただし、2027年からは300株以上を1年以上続けて持つことが条件となり、100株と200株は対象外になるため、ご注意ください。保有株数に応じて贈呈される株主優待の内容は、下記の一覧表をご確認ください。

萩原工業の配当金は4期連続増配見込み
2026年度の配当金は、4月末の中間配当が35円、10月末の期末配当が40円で、年間1株当たり75円となる予想です。2022年度の36円から、2023年度50円、2024年度60円、2025年度65円と増えていて、4期連続で増配する見込みです。
中間配当の権利確定日はすでに過ぎており、今から買って対象になるのは期末配当の40円となります。前年度の期末配当は2026年1月28日から支払われました。ただし、配当金は会社の予想のため、業績によって変わる場合があることにご注意ください。
萩原工業の利回り
1株2000円で100株購入した場合、投資金額は約20万円になります。年間の配当金は7500円となり、配当利回りは約3.8%です。今年の10月末に限っては、株主優待1000円相当を合わせた利回りが約4.3%に上がります。
なお、各年度の平均株価から計算した配当利回りの実績は、2023年度が約3.6%、2024年度が約3.9%、2025年度が約4.2%でした。年々上がっていて、4%前後の高配当が続いていることが分かります。過去の配当金と配当利回りの推移は、下記のグラフをご確認ください。

巴工業(6309)
巴工業は、液体と固体を分ける「デカンタ型遠心分離機」の国内トップメーカーです。また、化学品を海外から仕入れて販売する商社の事業も手がけています。
巴工業の業績は過去最高を更新する見通し
売上高は2025年度の約594億円から、2026年度は約629億円に増える予想です。本業のもうけも、約54億円から約59億円に伸びる見込みとなっています。
また6月に業績予想を引き上げていて、売上高と利益はいずれも過去最高を更新する見通しです。
巴工業の株価は上昇傾向が続く
巴工業の株価は、2026年9月末時点で約2000円と、萩原工業とほぼ同じ水準です。2025年5月に1株を3株に分ける株式分割を行ったため、ここでは分割を考慮した株価で比べます。
2022年に約700円だった株価は、毎年のように高値を更新し、2026年には一時約2200円まで上がり、現在はその高値より1割ほど低い水準にあります。株価上昇の背景には、利益の伸びと、配当を増やす方針を打ち出したことがあると考えられます。6月に業績予想と期末配当の予想を引き上げたことも、株価を支えている要因の一つとみられます。
巴工業の株主優待はワイン、1年以上の保有が条件
巴工業の株主優待は、毎年10月末の権利確定日に、200株以上を1年以上続けて保有する株主に対し、ワイン1本が贈呈されます。600株以上なら2本で、毎年12月下旬に届く予定となります。
1年以上の保有とは、4月末と10月末の株主名簿に3回以上続けて載っていることで、今から買っても今年の10月末は対象外です。ワインの金額は公表されていないため、利回りには入れていません。
巴工業の配当金は毎年増配、今年度は年間76円予想
2026年度の配当金は、4月末の中間配当36円と10月末の期末配当40円を合わせて、年間1株当たり76円となる予想です。6月に期末配当の予想を4円引き上げていて、今から買っても期末の40円は対象です。
分割を考慮した年間の配当金は、2021年度の約17円から、2022年度約18円、2023年度約37円、2024年度約48円、2025年度約60円と、毎年増配しています。前年度の期末配当は2026年1月30日から支払われました。利益に合わせて配当を決める方針のため、利益が減れば配当も減る可能性がある点は知っておきたいところです。会社は、手元へ残る最終利益の40%を配当に回す方針を掲げています。
巴工業の利回り
1株2000円で100株を買うと、投資金額は約20万円です。年間の配当金7600円から計算すると、配当利回りは約3.8%になります。なお、株主優待のワインは200株以上が対象のため、100株では受け取れません。
各年度の平均株価をもとにした配当利回りの実績は、2023年度が約4.2%、2024年度が約3.6%、2025年度が約4.2%でした。3年続けて3.5%を超える高配当を保っています。過去の配当金と配当利回りの推移は、下記のグラフをご参照ください。

高配当の萩原工業と巴工業、評判は?
萩原工業は政投銀との資本提携を発表し、株価は上場してから最も高い水準にあるなど、市場での評判は高いと考えられます。株主の声を受けて、株主優待の継続も決まりました。
一方の巴工業も、6月に業績予想を引き上げ、売上高と利益が過去最高となる見通しです。株価は2022年の約3倍に上がっていて、毎年の増配も評価されていると考えられます。
今年の株主優待も受け取りたい方におすすめなのは萩原工業、業績の伸びと増配を重視する方におすすめなのは巴工業となります。
どちらも配当利回り約3.8%の高配当銘柄で、10月28日(水)までに買えば期末配当の対象になります。約20万円から投資できる先として検討してみてはいかがでしょうか?


