BTC、FOMC後に一時上昇も
代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は、2025年9月24日13時過ぎ、対円では1652万円前後と前週(7日前)比で約3.4%低い水準で取引されています。BTCドルが11万1400ドル台での値動きです。
主要なアルトコインも対円で、時価総額2位のイーサリアム(ETH)は8%超安、リップル(XRP)が約6.4%安と軟調です。ソラナ(SOL)やドージコイン(DOGE)に至っては11%超まで下げ幅を広げました。
BTC円は9月18日、一時1747万円付近まで上昇しました。9月1日につけた今月安値からだと、約10%の上昇です。18日未明に米連邦準備理事会(FRB)が開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利が0.25%引き下げられました。これがBTCの上昇を後押しした、という見方が有力です。
※金利低下 → 債券・ドルの魅力低下→無利子資産のBTCや金の魅力が相対的に上昇 → 流動性増加 → BTCに資金流入、というロジック
ただし、パウエルFRB議長の会見やFOMCメンバーの経済・金利見通しを踏まえると、米金融当局のスタンスは警戒していたほどハト派ではなかったとの認識が市場で広がりました。
・ハト派(Dovish)、景気回復や雇用改善を優先。資金調達を容易にして投資・消費を刺激するため、利下げや金融緩和に積極的。
・タカ派、インフレ抑制を最優先。物価の安定を守る(短期の景気より長期の安定を重視する)ため、利上げや金融引き締めに積極的。
※Trading Viewより
事実で売る(Sell the Fact)
トランプ米大統領が利下げ要求を強めていたこと、米雇用データが想定以上に弱かったことから、今回の米政策金利の引き下げは織り込まれていました。FOMC後、短期金融市場は今後の追加利下げを織り込み続けているものの、米長期金利は上昇に転じます。
BTC相場も頭打ちになると、月前半から積み上げられたロングの持ち高調整が開始。有名な相場格言「Buy the Rumor Sell the Fact」の典型的な動きを見せました。
※Buy the Rumor Sell the Fact
噂や期待が出た段階で買いが先行し、実際に事実が発表された時点ではすでに織り込み済みなので売りが出やすい、という投資家心理を表した言葉。市場は「未来を先取りして動く」ため、ニュースが出た瞬間には材料が出尽くして逆に反落することが多い、という教訓。
こちら暗号資産分析サイトcoinglass による暗号資産の先物(証拠金取引)市場における清算(強制ロスカット)規模を示すチャートです。緑(ロング)の清算額で飛び抜けて大きいのが9月22日です。チャートによれば暗号資産で総額16.5億ドルのロングが清算されました。
「イーサリアムとドージコインが15億ドルの清算を主導…」コインデスク
こちらの記事では、イーサリアム(ETH)が5億ドル近いロングポジションの強制ロスカットで一時9%急落。3%下落のBTCはつれ安になった形です。またドージコイン(DOGE)は10%超下落し主要トークンの中で最大の下落率を記録しました。
DOGE、新たなETF
今月18日、前述したドージコイン(DOGE)と暗号資産の時価総額3位を維持しているリップル(XRP)の上場投資信託(ETF)が、米国で取引を開始しました。
「米国でドージコインとXRPに連動するETFがデビュー…」コインテレグラフ
この記事によれば、2つのETFは好調なスタートを切ったようです。
もっとも存在感を増している現物ビットコインETFと違い、ドージコインETFは物やその他のデリバティブを通じてエクスポージャーを獲得。リップルETFは現物XRPを直接保有するものの、そのほか米国外の現物ETFにも投資するという、少し分かりにくい構造です。
「XRPとDOGEのETF…」コインデスク
暗号資産全般に急落した局面で、DOGEの下落幅が大きかった理由の1つとして、ETFへの過大な期待感があったのかもしれません。ただ記事にもあるように、米国では承認を待つ暗号資産ETFが多いとされ、潜在的な需要の多さは確実視されているようです。
ちなみに、こんな調査結果も出ています。
「仮想通貨ミリオネアが急増、ビットコインの上昇で…」コインテレグラフ