BTC、買い優勢…米雇用統計も
代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は2026年1月14日19時頃、対円では1512万円前後と前週(7日前)比で約5.2%高い水準で取引されています。BTCドルも9万5000ドルを超えた水準で推移し、24時間比ではおよそ3.1%高での値動きです。
先週のBTCは上値が重く、8日夜には対円で1402万円前後、対ドルで8万9200ドル付近まで下落しました。金融市場が注目していた12月米雇用統計を翌日に控え、年初の楽観的なムードに乗って作られたロングの持ち高調整が出ていたようです。
米労働省が発表した12月雇用統計では、非農業部門雇用者数が5万人増と予想を2万人下回り、過去2カ月分の数値も下方修正されました。もっとも、労働市場の悪い結果は米連邦公開市場委員会(FOMC)追加利下げ観測を強め、リスク資産にとってはプラスに働くとの見方が広がりました。
リスク資産とされるBTCは底堅いまま週末を終えました。週明けは静かなスタートでしたが、12日(火)から何度か上下しながらも上値を試す展開に。13日夜から14日朝にかけてはショートカバーを巻き込みながら、上げ足を速めます。BTC円が6日早朝に頭を抑えられた1480万円、BTCドルが9万4800ドル付近を上抜けて、それぞれ1530万円と9万6400ドル台と約2カ月ぶりの高値水準まで上昇しました。

※Trading Viewより
きっかけは、衆院解散に関する報道?!
米雇用統計に対する市場の動きが一巡後、夜間取引の日経平均先物が1000円以上も急騰します。きっかけは、「高市首相は23日召集が予定される通常国会の冒頭で衆院を解散する検討に入った」との報道でした。
高市政権が発足し3カ月経ち、以前として高い支持率を維持しています。このまま総選挙に突入すれば、自民党が単独過半数を獲得する可能性は高いでしょう。そうなると、高市首相が目指す経済対策が実施しやすくなるのは確かです。
首相が掲げる成長戦略への期待感も支えに、本邦3連休前の日経平均先物は、夜間取引で流動性が薄いこともあり、通常よりも値幅を伴った動きとなりました。為替市場ではリスク志向の円売りが進行。昨年後半、BTCと日米株価指数の相関関係はかなり薄いものでした。しかしながら年初からの日本株の急騰は、リスクオンでBTC円を買っても良いと思い出させたようです。
また、財政拡張から本邦債券に下落圧力が強まるとの懸念による円売りも見受けられました。

※Trading Viewより
高市政権、片山財務相への期待
「成人の日」の翌日、ようやく現物の日本株市場がオープンし、日経平均は一時1800円超まで広げました。引け後、高市首相が自民党幹部に「衆院の解散」について話すという報道で、株高や円安が進行しました。
高市政権は暗号資産を推進する側と見られています。2月に実施される可能性が高まった総選挙で、自民党が過半数を単独で獲得するようであれば、暗号資産を取り巻く環境は変わってくるでしょう。
現政権の中心にいる片山さつき財務相が年始に語った内容も、より現実味を増してきます。こちらもBTCの後押しに繋がりました。
片山財務相は、東京証券取引所の大発会における挨拶や暗号資産メディアとのインタビューで、2026年を「デジタル元年」と言及。暗号資産の金商法移行、分離課税導入、トークン化預金や円建てステーブルコインの普及など、デジタル資産を日本の金融システムに統合する政策を前面に押し出しました。
また片山氏は、米国のビットコインETF普及を例に挙げ、日本でも同様の市場アクセスを整えるべきだと強調。デジタル資産が若い世代の資産形成や「貯蓄から投資へ」の流れを後押しする重要な手段になると位置づけ、政府として市場インフラ整備を全面支援する姿勢を示しました。
円ステーブルコインについて財務相は、日本が国際決済の分野でより強い役割を持つために必要だとしています。ドル建てステーブルコインが急速に広がる中、日本も円のデジタル版を整備することで、国際的な決済ネットワークの中で安定した位置を確保できる可能性を述べています。
暗号資産やブロックチェーン技術を単なる新技術として扱うのではなく、日本の金融市場全体を再構築するための重要な政策領域として捉えているようです。デジタル資産を基盤に、金融インフラ、規制、通貨戦略をまとめて見直し、日本の金融システムを次の段階へ進める必要性を強調しています。
為替では円売りが進行していますが、円安を阻止するには単純な円買い介入よりも有効かもしれません。



