BTC、2カ月ぶり高値更新も…
代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は2026年1月21日13時頃、対円では1416万円前後と前週(7日前)比で約6.8%低い水準で取引されています。BTCドルも8万9400ドル台と、24時間比でもおよそ3%超の下落率です。
イーサリアム(ETH)が前週比で11%安、リップル(XRP)とソラナ(SOL)が13%安と暗号資産の軟調さが目立っています。
BTCは先週15日朝(ニューヨーク14日夕刻)にかけて買いが強まると、対円で1552万円付近、対ドルで9万8000ドル手前と約2カ月ぶりの高値を更新しました。米株高など良好なリスクセンチメントを背景に、暗号資産にも資金が流入してきました。
もっとも一巡後は伸び悩む展開に。19日が米国祝日だったため、持ち高調整が金融市場全般に広がったようです。
また、こういったニュースも↓ ひとまずリスクを落とそうという動きにつながったのかもしれません。
「米上院銀行委、仮想通貨法案の審議延期…」ロイター通信

※Trading Viewより
グリーンランドが欲しい
週明けから暗号資産は上値の重い展開となりました。きっかけは、トランプ米大統領が主張するグリーンランドの領有です。
現在の米政権は、安全保障上という理由のもとデンマーク領グリーンランドの所有を声高に叫んでいました。これに対してデンマークはもちろん、英仏独蘭、スウェーデンやノルウェー、そしてフィンランドなどの北欧諸国も反対を表明しました。
これら8カ国に対してトランプ米大統領は、2月1日から最大25%の追加関税を課すと警告します。これを受けて欧州側も報復措置を示唆。欧米関係の悪化懸念が一気に高まったことを受けて、金融市場はリスク回避の動きを強めました。
欧米株式市場が下落し、欧米債券も売られ(利回りは上昇)、安全資産として金(ゴールド)やスイスフランに資金が向かいました。そして、暗号資産は売られます。
トランプ米大統領が強気な姿勢を崩さない限りは、欧米間のヒビは広がり続けてしまうでしょう。

※Trading Viewより
今年の目玉、CLARITY法案
米国では今年、暗号資産の歴史的な法案とされる「CLARITY法案(Digital Asset Market CLARITY Act)」の成立と施行が期待されています。この法案は、暗号資産をめぐる曖昧さを片付けることを目的としています。
「何が証券で、何が商品なのか」、「どの監督機関がどこまで踏み込めるのか」などこれまで業界が悩まされてきた境界線を、法律として一本引き直す作業が中心にあります。取引所や仲介業者の登録制度、消費者保護の枠組みも含まれ、暗号資産市場の“土台”を整える内容です。
必ずしも完璧な制度とは言えませんが、長年のグレーゾーンを解消する初めての包括的な枠組みとされています。「市場参加者が将来の規制を読みやすくなり、企業も投資家も判断しやすくなる」という期待が、この法案を特別な位置に押し上げています。
下院での可決、CFTCの監督下に
米下院は昨年、CLARITY法案を大きな反対もなく通過させました。数年かけて積み上げた議論の集大成で、暗号資産の基本的な市場構造を整理した点が評価されました。
ビットコインやイーサリアムを「デジタル商品」として扱い、CFTCの監督下に置く方針が明確になったことは、業界にとって大きな前進でした。
また、ステーブルコインの利回り提供についても、下院案は比較的柔軟で、銀行業界の意向が強く反映されていませんでした。ホワイトハウスも署名の準備が整っていたとされ、ここまでは順調に進んでいたと言えます。
第155回「ビットコイン、高止まりもドミナンスは縮小 クリプトウィークを通過・」
上院で追加、銀行が口出し…
状況が変わったのは上院に移ってからです。
上院は下院案をそのまま使わず、独自の修正を加えました。特に大きかったのが、ステーブルコインの利回り提供に関する規制強化です。銀行業界が預金流出を懸念し、利息や報酬の提供に制限を求めたことで、条文が大きく書き換えられました。
これが大手取引所コインベースの強い反発を招いた最大の理由です。
さらに、DeFi(分散型金融)の扱い、米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)の権限調整、そして「大統領が暗号資産で利益を得ることを防ぐ条項」など、政治的な要素も加わりました。
こうした追加要素が積み重なり、上院案は複雑さを増し、党派間の調整が難しくなっています。
2026年1月の審議延期と今後の見通し
1月15日に予定されていた上院銀行委員会のマークアップ(条文の修正審議)は、前夜にコインベースが支持を撤回したため急きょ延期されました。業界最大手が離脱により委員会は超党派の合意が整っていないと判断し、再交渉に入らざるを得なくなったためです。
この一件で、法案の進行は大きく遅れました。
今後の見通しは不透明感が増しています。米国では3月から中間選挙モードに入り、議会が法案審議に割ける時間は急速に減ると言われています。選挙が近づくほど党派対立は強まり、超党派での合意形成も難しくなります。
2026年中の成立は厳しいとの見方が増えており、翌年に先送りすれば議会構成が変わる可能性も高く、法案が振り出しに戻るリスクも指摘されています。



