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第190回 2026年最新のランド円見通し:上昇トレンド継続でここからの調整は押し目買いのチャンス?

今回解説していく通貨は南アフリカランド円(zar/jpy)です。為替市場では上昇トレンドが維持されているものの、節目の10円手前で買いも一服となりました。テクニカル的には8.5円台まで調整が進む可能性もありそうですが、中長期視点での押し目買いのチャンスと見なすこともできるでしょう。

一方、ファンダメンタルズでは中東紛争による原油価格の高騰で、南アフリカ準備銀行(SARB、中央銀行)のインフレ目標達成に暗雲。年内に利上げ転換のリスクも浮上してきました。


今後のランド円の相場焦点:中銀のリスクシナリオでは年内に利上げの可能性も

まずは南アフリカの現在の金融政策状況を確認していきます。

 

南アフリカ準備銀行(SARB)は2021年11月に金融引き締めを開始。2023年5月に政策金利を8.25%まで引き上げて、2024年9月から金融緩和局面へと移行。現在の政策金利は6.75%です。

 

●SARBが金利の据え置きを決めた3月直近会合の声明文では

・エネルギー価格の上昇によって短期的にはインフレが加速し、CPIは4%程度まで上昇する見込み

・現在の予測に基づけばインフレリスクは上振れ方向に傾いている

・中銀の四半期予測モデルによる最新の予測では1月時点の予測よりも利下げの時期を先送りし、より長期間にわたって金利を据え置くことが示されている

などの見解が示されました。

 

直近2月の消費者物価指数は前年比3.0%とSARBのインフレ目標である3.0%(±1.0%)に一致していますが、今後は目標レンジの上限付近まで上昇する見込み。さらに中銀が想定するリスクシナリオでは中東紛争の長期化によって原油価格が高止まりし、インフレ率が4-5%超まで上昇。中銀は年内に利上げを迫られるとの見方もあるようです。


ランド円の週足分析:上昇トレンド内の調整局面か

下図のチャートはランド円の週足チャートになります。

 


現在は2020年4月安値を始点とする上昇トレンド(チャート上の黄色実線)内での推移が続いています。足もとで9.89円まで上値を伸ばす場面もありましたが、チャネルラインが位置している心理的節目の10.00円手前では買いも一服となりました。

 

チャート下部に追加した「DMI」で確認すると現在は+DI>-DI(上昇トレンド)を示唆していますが、+DIと-DIが接近しており、今後は下落トレンドへの転換を示唆する可能性もありそうです。

もっとも、前述したように現状は2020年来の上昇トレンドにあるため、ここから短期的な調整局面を迎えたとしても、中長期的視点では押し目買いのチャンスとみなすこともできるでしょう。


ランド円の日足分析:今後の調整余地は8.5円台までか

今度はより短期的な視点でランド円の状態を確認していきます。下図のチャートはランド円の日足チャートになります。

 


先月までは昨年4月安値を始点とする上昇トレンド(チャート上の黄色実線)を維持していましたが、直近ではこのトレンドラインを下抜けてきました。週足分析とも整合性が取れており、ここからは調整の目処を探っていきましょう。注目すべきは昨年4月安値-今年2月高値までの上昇幅に対するフィボナッチ水準。特に半値押しに位置する8.58円近辺は昨年10月17日につけた直近安値(※)にも近く、今後の調整余地に関する重要なポイントとなりそうです。

 

※高市首相が自民党総裁選で勝利し(10月4日)、円相場は翌週明けから窓を開けて急落。ランド円も買いが強まったが、その後の押し目水準にあたる。


今後の取引材料・変動要因をチェック:日銀の追加利上げを巡る思惑に注目

最後に今後1カ月間の重要イベントも確認しておきます。注目は日銀の金融政策決定会合。日銀の前回(3月18-19日)金融政策決定会合では、先行きの利上げに関して前向きな意見が目立ちました(同会合の主な意見より)。今後の中東情勢次第ではありますが、紛争長期化によって原油価格がさらなる上昇もしくは高止まりとなった場合、追加利上げへの思惑が広がる可能性もあるでしょう。

その他のイベントは以下の通りとなります。

 

今後1カ月の重要イベント

・4月22日 南ア 3月消費者物価指数(CPI)

・4月24日 日本 3月全国CPI

・4月27-28日 日本 日銀金融政策決定会合


この連載の一覧
第190回 2026年最新のランド円見通し:上昇トレンド継続でここからの調整は押し目買いのチャンス?
第189回 2026年最新の豪ドル円見通し:30年以上続いたゾーンを上抜けか
第188回 2026年最新のユーロ円見通し:上昇トレンド継続も短期の調整リスクに留意
第187回 2026年最新のノルウェー・クローネ円、スウェーデン・クローナ円見通し:歴史的な高値更新なるか
第186回 2026年最新のNZドル円見通し:レンジ相場をブレイクして上昇トレンドに回帰
第185回 2026年最新のドル円見通し:上昇トレンド継続だが調整の兆しも
第184回 2026年最新のユーロドル見通し:直近の高値超えが当面の目標に
第183回 2026年最新の豪ドル米ドル見通し:豪ドルを取り巻く環境に大きな変化
第182回 2026年最新のトルコリラ円見通し:下落トレンドの勢い減速、当面は様子見が無難
第181回 2026年最新のポンド円見通し:上昇トレンド継続もここからの押し目買いは慎重に
第180回 2026年最新のハンガリーフォリント円、チェコ・コルナ円見通し:明確な上昇トレンド、ハンガリーでは緩和政策が再開か
第179回 2026年最新のNZドル米ドル見通し:三角保ち合い継続も下方向へのリスクを警戒
第178回 2026年最新のメキシコペソ円見通し、明確な上昇トレンドが継続
第177回 2025年最新のランド円見通し:上昇トレンドは盤石で10円の大台回復も視野に
第176回 2025年最新の豪ドル円見通し:目先は押し目買い方針、RBAの緩和終了も支えとなるか
第175回 2025年最新のユーロ円見通し:史上最高値更新で今後の上値目標は?
第174回 2025年最新のノルウェー・クローネ円、スウェーデン・クローナ円見通し:しっかりとした上昇トレンドが継続
第173回 2025年最新のNZドル円見通し:短期・中期ともレンジ相場
第172回 2025年最新のドル円見通し:年初来高値の更新に向けて
第171回 2025年最新のユーロドル見通し:2022年来の上昇トレンドに一服感
第170回 2025年最新のトルコリラ円見通し:短期のレンジ相場の行方を見極めたい
第169回 2025年最新の豪ドル米ドル見通し:短期・中長期とも現状のトレンドをブレイクするチャンス
第168回 2025年最新のポンド円見通し:200円の大台超えで上値余地広がる
第167回 2025年最新のハンガリーフォリント円、チェコ・コルナ円見通し:上昇トレンド継続、コルナ円は最高値更新狙う
第166回 2025年最新のNZドル米ドル見通し:上値トライに失敗、再び下値リスクを警戒すべき局面に
第165回 2025年最新のメキシコペソ円見通し、上昇トレンドに回帰
第164回 2025年最新のランド円見通し:直近高値超えに失敗すると・・
第163回 2025年最新の豪ドル円見通し:短期は良し、中長期は不安あり
第162回 2025年最新のチェコ・コルナ円、ポーランドズロチ円見通し:上昇トレンドは継続へ
第161回 2025年最新のユーロ円見通し:上昇トレンドは維持、上値追いはどこまで?
第160回 2025年最新のノルウェー・クローネ円、スウェーデン・クローナ円見通し:いずれも上昇トレンドを維持
第159回 2025年最新のドル円見通し:頼りない上昇トレンドの今後を探る
第158回 2025年最新のNZドル円見通し:上昇トレンドを維持するための条件とは?
第157回 2025年最新のトルコリラ円見通し:過去最安値の更新はどこまで続くのか?
第156回 2025年最新のユーロドル見通し:長期下落トレンドの転換点か?
第155回 2025年最新のランド円見通し、再び上昇基調へ?チャートとファンダメンタルズから徹底分析
第154回 2025年最新の豪ドル米ドル見通し:2021年来の下落トレンドはついに転換か?
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第152回 今後のハンガリーフォリント円見通し、上昇トレンド継続で上値余地拡大へ 高金利状況は続く
第151回 今後のNZドル米ドル見通し、下値確認でトレンド転換なるか
第150回 今後のメキシコペソ円見通し、レンジ継続も上抜けチャンスが到来
第149回 今後の豪ドル円見通し、調整が深まるか直近安値の維持が焦点に
第148回 今後のユーロ円見通し、貿易リスクはあるがチャート上では上昇期待も
第147回 ドル円相場見通し、一段の円高へと向かうリスク 2025年中に120円台もあり得るか
第146回 NZドル円(nzdjpy)相場予想、追加利下げ濃厚も下落トレンドは終了か?
第145回 トルコリラ円(try/jpy)相場予想、過去最安値更新で止まらぬ下落
第144回 ユーロドル為替相場予想、トレンド反転の判断は慎重に
第143回 南アフリカランド円相場予想、一目雲下限を維持できるか注目
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第140回 NZドル米ドル、下落トレンド転換のチャンス到来か
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第138回 豪ドル円、調整局面入り
第137回 ユーロ円、昨年8月安値が再び焦点に
第136回 ドル円、短期的な下値リスクに要注意
第135回 NZドル円、さらなる下値余地拡大に注意
第134回 トルコリラ円、過去最安値更新が視野に
第133回 ユーロドル、2023年来のレンジ相場を下方ブレイク
第132回 ランド円、直近の下げ加速なら2020年来のトレンドも怪しく
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第130回 ポンド円、ダブルトップの完成が迫る
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第89回 ユーロドル、ヘッド・アンド・ショルダーズの完成なるか
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第83回 メキシコペソ円、レンジブレイクのチャンス到来
第82回 ユーロドル、レンジ相場脱却の手掛かりは乏しい
第81回 トルコリラ円、昨年8月以来のチャンスをものにできるか
第80回 ドル円、上昇トレンドを維持も上値追いは慎重に
第79回 NZドル米ドル、長期下落トレンドのブレイクは失敗か
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第71回 豪ドル円、上値トライのチャンスだが力強さを欠く
第70回 NZドル円、いよいよ過去最高値も視野入りか
第69回 ユーロ円、月足チャートでは不安なし 週足では?
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第40回 今後のドル円相場
第39回 ダウ理論とエリオット波動(3)
第38回 ダウ理論とエリオット波動(2)
第37回 ダウ理論とエリオット波動(1)
第36回 ローソク足(3)
第35回 ローソク足(2)
第34回 ローソク足(1)
第33回 一目均衡表(4)
第32回 一目均衡表(3)
第31回 一目均衡表(2)
第30回 一目均衡表(1)
第29回 リトレースメント
第28回 避けられるリスク(その他の国編)
第27回 避けられるリスク(英国・オセアニア編)
第26回 避けられるリスク(日本・欧州編)
第25回「誰にでもわかるチャート教室」 避けられるリスク(米国編)
第24回「誰にでもわかるチャート教室」 ポイント&フィギュア
第23回「誰にでもわかるチャート教室」 練行足とカギ足
第22回「誰にでもわかるチャート教室」 新値足
第21回「誰にでもわかるチャート教室」 パラボリック
第20回「誰にでもわかるチャート教室」 エンベロープとボリンジャーバンド
第19回「誰にでもわかるチャート教室」 MACD
第18回「誰にでもわかるチャート教室」 ROC
第17回「誰にでもわかるチャート教室」 突発的な急変動に対処する
第16回「誰にでもわかるチャート教室」 DMI
第15回「誰にでもわかるチャート教室」 サイコロジカル・ライン
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第10回「誰にでもわかるチャート教室」 フォーメーションあれこれ~その4
第9回「誰にでもわかるチャート教室」 フォーメーションあれこれ~その3
第8回「誰にでもわかるチャート教室」 フォーメーションあれこれ~その2
第7回「誰にでもわかるチャート教室」 フォーメーションあれこれ~その1
第6回「誰にでもわかるチャート教室」 移動平均線~その2
第5回「誰にでもわかるチャート教室」 移動平均線~その1
第4回「誰にでもわかるチャート教室」チャネルラインと外国為替市場の独自性
第3回「誰にでもわかるチャート教室」相場の方向性が一目瞭然、トレンドライン
第2回「誰にでもわかるチャート教室」相場のトレンドを探る
第1回「誰にでもわかるチャート教室」 相場が不安定だからこそ、チャート分析に頼りたい

為替情報部 アナリスト

岩間 大祐

大学卒業後の2004年に国内証券会社に入社。 外国為替証拠金取引業務に携わった後、金融情報サービス会社にて個人投資家向けの為替情報配信業務を担当。市況サービスのほか、テクニカル分析を軸にした情報を配信する。 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト。

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