「マーチンゲール法」とは?
先日、ネットフリックスを見ているときに、久しぶりに耳にした言葉がありました。
それは「マーチンゲール法」です。
マーチンゲール法とは、ギャンブルで最初に1000ドルを賭け、負けた場合に次は2000ドルへと掛け金を倍にしていく手法です。
仮に勝敗の確率が同じで、勝ったときの利益幅も同じであれば、2000ドルで勝った時点で前回の負け分を取り戻すだけでなく、利益も得ることができます。
2000ドルで負け、さらに倍の4000ドルでも負け、その後8000ドルでも負けたとしても、次に16000ドルを賭けて勝てば、それまでの損失をすべて取り戻したうえで利益を得られる、という考え方です。
これがマーチンゲール法と呼ばれるものです。
ギャンブル初心者に対し、胴元が賭けを継続させるための説明として、この手法が持ち出されることもあるようです。
確かに机上の理論では、丁半博打のように勝率が5割であれば利益を得られるように思えるかもしれません。
しかし実際には、資金には限りがあり、連敗が続けば掛け金は急激に膨らみます。そのため、この方法で安定して利益を上げることはほぼ不可能です。
FXでのマーチンゲール法は絶対に無理!
過去にも書きましたが、銀行のFXディーラー時代、このマーチンゲール法に手を出し、最終的に解雇されたディーラーを数多く見てきました。
中には、現在でもFXサイトなどで「指南役」として活動している人もいます。
一度この手法で利益を取り戻せると、「もう一度」「あと一度だけ」と繰り返してしまうケースが少なくありません。
しかし、そのような取引は最終的に隠し通せず、どの金融機関でも問題となり、解雇に至っています。
そもそも、FXでマーチンゲール法が機能しない最大の理由は、勝率も利益幅も一定ではないことです。
例えば、最初の取引で100Pips負けたとしても、次の取引が100Pips有利に動く保証はありません。
逆に考えれば、100Pips負けた後、掛け金を倍にすれば50Pipsの利益で損失を取り戻せる計算になります。
しかし、実際の相場ではそう簡単にはいきません。
50Pips利益が乗った場面でも、「もう少し伸びるのではないか」という欲が生まれます。
そして、50Pipsあった含み益が30Pips、10Pipsと急速に縮小し、結局は利益を逃したり、再び損失に転じたりすることも珍しくありません。
「自分は感情に左右されず、機械的にトレードできる」と考える人もいるでしょう。
しかし、私がこれまで見てきた中で、それを長期間にわたって実践できた人は一人もいませんでした。

それでも今なお、一部の怪しいサイトでは、「マーチンゲール法は優れた資金管理手法」「十分な資金さえあれば必ず勝てる」といった宣伝が繰り返されています。
しかし、本当にその手法だけで勝ち続けられるのであれば、世界中の著名投資家が苦労することなく資産を増やし続けているはずです。
現実は、そのようになっていません。
私自身、銀行のFXディーラー時代に、マーチンゲール法に頼ってポジションを膨らませ、最後は職を失っていくディーラーを何人も目の当たりにしてきました。
机上では成立しているように見える理論でも、実際の相場では必ず人間の心理が介在し、計算どおりには進みません。
「マーチンゲール法なら勝てる」「資金さえあれば必ず取り返せる」、そのような甘い宣伝文句を信じているのであれば、FXには手を出すべきではありません。
相場で最も重要なのは、「勝ち方」ではなく「負け方」を知り、大きな損失を避け続けることです。マ
ーチンゲール法は、その原則とは正反対にある手法だということを忘れてはいけません。



