今回解説していく通貨はユーロ円(eur/jpy)です。上昇トレンドの勢いが失われつつある様子が見られており、今後は調整含みの展開も視野に入れておく必要があるでしょう。特に182.00円、180.80円付近など目先のサポート水準を下抜けた場合は注意が必要となります。
ファンダメンタルズでは欧州中央銀行(ECB)が直近の会合で利上げを決断。連続利上げの可能性は低いものの、今後もインフレ動向をにらみながら、ECBの利上げペースを探っていく必要がありそうです。
今後のユーロ円の相場焦点:ECBは金融引き締めを決断
まずはユーロ圏の現在の金融政策状況を確認していきます。
欧州中央銀行(ECB)は2024年6月に金融緩和を開始。2025年6月に政策金利を2.15%まで引き下げて、今年6月から金融引き締め局面へと移行しました。現在の政策金利は2.40%です。
●ECBが利上げを決めた6月の直近会合の声明文では
・見通しは依然として不透明であり、インフレには上振れリスク、経済成長には下振れリスクが存在
・状況を緊密に監視し、データ依存かつ会合ごとに適切な金融政策姿勢を決定するアプローチ
・特定の金利経路を事前に約束するものではない
などの見解が示されました。
同時に公表されたECBスタッフ見通しでは、インフレ見通しの上方修正と経済成長見通しの下方修正が行われ、ECBが難しいかじ取りを迫られていることが明らかになりました。
ただ、その後にECB関係者筋の話として「ECB当局者らはエネルギー価格が現状のままであれば7月の利上げは見送るとみている」「7月の利上げを支持するには原油価格の大幅上昇が必要になる」との報道も伝わっており、現時点では連続利上げを実施する可能性は低く、今後のインフレデータなどを見極める必要がありそうです。
ユーロ円の週足分析:上昇トレンドの勢いが失われつつある
下図はユーロ円の週足チャートになります。

現在は2022年3月安値を始点とする上昇トレンド(チャート上の青色実線)にあるようです。今年2月頃までは昨年4月安値を始点とする強い上昇トレンド(チャート上の黄色実線)にありましたが、現在は同トレンドラインを維持できず、上昇の勢いもやや後退気味。
チャート下部に追加した「DMI」で確認しても+DI>-DI(上昇トレンド)は維持していますが、トレンドの強さを示すADXが急低下しており、上昇トレンドが勢いを失いつつある様子もうかがえます。
ユーロ円の日足分析:目先の重要サポートは182.00円、180.80円付近など
では、より短期の視点でユーロ円の方向性を確認していきます。下図はユーロ円の日足チャートです。

今年の2月以降はやや下値を切り上げつつあるものの、総じて185.00円を挟んだ水準でのレンジ相場と言えるかもしれません。下値を切り上げているということであれば、今後は過去の下値が重要なサポートとして意識されるでしょう。
目先は3月から5月にかけて何度か下値を支えてきた182.00円前後の水準(チャート上の四角で囲った部分)がサポートに。さらに2月12日安値の180.81円が重要なポイントになり、同水準を下抜けるとさらに調整色が深まる可能性を警戒する必要が出てきます。
今後の取引材料・変動要因をチェック:欧州の金融政策に注目
最後に今後1カ月間の主要な経済指標や重要イベント等も確認しておきます。注目は欧州中央銀行(ECB)の金融政策。「今後のユーロ円の相場焦点」で触れたように連続利上げの可能性は低いですが、ユーロ相場の行方を占う材料として注意しておきましょう。また、期間内には予定されていませんが、7月30-31日の日程で日銀の金融政策決定会合が開催されます。
その他のイベントは以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
・7月1日 ユーロ圏 6月消費者物価指数(HICP、速報値)
・7月23日 ユーロ圏 欧州中央銀行(ECB)、金融政策決定理事会
・7月24日 日本 6月全国消費者物価指数(CPI)





