「ポカリスエットやカロリーメイトでおなじみの大塚製薬、株主優待があるって本当?」
「株主優待はいつ、どんなものがもらえるの?」
「投資してみたいけど、どんな会社なのかよくわからない…」
ポカリやカロリーメイトなど食品・飲料で身近な存在である大塚グループ。その持株会社である大塚ホールディングス(証券コード:4578)は、株主優待制度を実施しており、個人投資家からの関心も高いです。
この記事では、大塚ホールディングスの株主優待の具体的な内容や、いつ、どうすればもらえるのかといった基本情報を解説します。さらに企業情報や業績、株価の動向まで投資初心者の方にも分かりやすく解説するので、参考にしてみてください。
大塚ホールディングスの株主優待の内容
大塚ホールディングスの株主優待は毎年12月末に100株以上保有する投資家を対象に、年に1回3,000円相当の優待品を受け取れるお得な内容です。
詰め合わせの内容は毎年少しずつ変わりますが、過去の実績を見ると、以下のような大塚グループの人気商品が含まれていることが多いようです。
・ポカリスエット(イオンウォーターの場合もあり)
・カロリーメイト
・オロナミンCドリンク
・SOYJOY(ソイジョイ)
・ファイブミニ
・ボンカレー
・オロナインH軟膏
大塚グループの主力製品が一度に楽しめる、バラエティ豊かな内容となっています。普段から愛用している方にとっては、家計の助けにもなる嬉しい優待です。
株主優待はいつ、どうすればもらえる?
株主優待をいつ、どのようにすれば受け取ることができるのでしょうか。具体的なステップと共に解説します。
①権利確定日までに100株以上購入する
株主優待を受けるためには、「権利確定日」である12月末日の株主名簿にご自身の名前が株主として記載されている必要があります。
ここで注意したいのが、株を購入してから株主名簿に名前が載るまでには数日かかるという点です。そのため、実際には権利確定日の2営業日前である「権利付最終日」までに株式を購入しておく必要があります。2025年の場合、12月末の権利付最終日は12月26日(金曜)の予定です。
なお、株価は日々変動しますが、仮に大塚ホールディングスの株価が6,000円だった場合、100株を購入するためには約60万円(6,000円 × 100株)の資金が必要となります。
②優待品の到着時期
権利確定日を過ぎれば、あとは優待品が届くのを待つだけです。大塚ホールディングスの株主優待品は、翌年の4月中旬頃に発送されることが多いようです。
大塚ホールディングスの基本情報
大塚ホールディングスは大塚製薬を中核とし、大鵬薬品工業、大塚製薬工場、大塚食品など、多くのグループ会社を傘下に持つ世界的なトータルヘルスケア企業グループです。その事業は、大きく分けて2つの強力な柱で構成されています。
①医療関連事業
売上の約7割を占める主力事業です。特に、精神・神経領域(統合失調症治療薬など)とがん領域に強みを持ち、世界中の患者さんの治療に貢献する革新的な医薬品の研究開発・製造・販売を行っています。
その他にも、循環器・腎臓領域や消化器領域など、幅広い分野で事業を展開しています。医薬品事業は、一つの新薬が成功すれば大きな利益を生む可能性がある一方で、開発に莫大な費用と時間がかかるハイリスク・ハイリターンな側面も持っています。
②ニュートラシューティカルズ(NC)関連事業
「ニュートラシューティカルズ」とは、Nutrition(栄養)とPharmaceuticals(医薬品)を組み合わせた造語です。ポカリスエット・カロリーメイト・オロナミンCといった日々の健康維持に役立つ製品を指します。NC関連事業が安定した収益基盤となっていることが、大塚ホールディングスの大きな強みです。
最先端の医薬品開発という成長性の高い事業と生活に密着した食品・飲料という安定性の高い事業の両輪で経営を行っているのが、大塚ホールディングスの最大の特徴と言えるでしょう。
株価と業績推移
大塚ホールディングスの直近5年間における株価と業績の推移は、以下のとおりです。
参照:Traging View
大塚ホールディングスの株価は2024年11月に最高値をつけた後、2025年にかけては調整局面が続き停滞気味。医薬品業界特有のリスク(特許切れ懸念など)や、為替の変動、市場全体の地合いなどが影響したと考えられます。
医療業界特有のリスクには、パテントクリフ(特許切れ)が大きく関わっています。
新薬の開発には、莫大な費用と長い年月がかかるため、開発に成功した製薬会社は一定期間「特許」によってその薬を独占的に販売する権利が与えられます。この期間は、他の会社が同じ薬を真似して作ることはできず、独占販売で高い利益を得られるのです。
しかし、この特許期間が終わると他の製薬会社が同じ有効成分を使った安価な「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」を販売できるようになります。すると、独占販売していた薬の売上は急激に減少するため、この現象を「パテントクリフ(特許の崖)」と呼ぶのです。
投資家は現在の業績だけでなく、「将来のパテントクリフを乗り越えられるだけの新薬候補が育っているか?」という点も厳しくチェックしています。したがって、初心者から見たら製薬会社への投資は少しハードルが高い業界です。
ただし、業績の安定性や株主還元への期待から一定の水準では買い支えられている様子もうかがえます。
配当金
株主還元の一つである配当金の推移も見てみましょう。
・2020年12月期:100円(配当利回り2.26%)
・2021年12月期:100円(配当利回り2.40%)
・2022年12月期:100円(配当利回り2.32%)
・2023年12月期:110円(配当利回り2.08%)
・2024年12月期:120円(配当利回り1.40%)
配当金は14年以上にわたり減配しておらず、近年は増配傾向です。安定的・継続的な配当を基本方針としており、配当性向も無理のない水準で推移しているため、安定した株主還元が期待できます。
現在の株価水準では配当利回りが突出して高いわけではありませんが、安定感は長期投資家にとって大きな魅力と言えるでしょう。
まとめ
大塚ホールディングスの株主優待は、100株以上の保有で年に1回、3,000円相当の自社グループ製品詰め合わせがもらえる充実した内容です。
企業としては、最先端の医療関連事業と、ポカリスエットやカロリーメイトといった身近なニュートラシューティカルズ関連事業という2軸の世界的なヘルスケア企業です。14年以上減配していない安定した配当を実現し、近年は増配傾向にあることも投資家にとっては心強いポイントです。
株価は一時的に調整局面もありましたが、堅調な業績や安定した株主還元策を背景に中長期的な視点での投資妙味は十分にあると考えられます。
身近な製品を楽しみながら、グローバルに展開する優良企業の成長を応援したいと考える方にとって、投資を検討する価値のある銘柄と言えるのではないでしょうか。