「ヤマダホールディングス」と「エクセディ」の株主優待が改悪・廃止が話題となっており、一部では「やばい」との声も聞かれます。2銘柄とも業績は安定しており、配当利回りの高さも魅力ですが、株主優待の改悪による実質的な利回り低下は、株価にも影響を与える可能性があります。
ヤマダホールディングス(9831)
ヤマダホールディングスは、全国に900店舗以上を構える家電量販店「ヤマダデンキ」を経営管理する企業です。また、戸建て住宅販売や保険・金融サービスの提供、家電リサイクルによる環境資源開発、旅行会社運営、物流、ITサービス提供など様々な事業を展開しています。
ヤマダホールディングスの株価
2025年8月時点の株価は約470円です。2007年までは約1400円前後だった株価は、2008年に入り下落し始め、2009年には約330円まで下がりました。その後は、小さな変動はあるものの、長期的に見ると、約400円から約600円の間をほぼ横ばいで推移しています。
株主優待の商品券がもらえるのはいつ?
ヤマダホールディングスの株主優待は、毎年3月末と9月末の権利確定日に、100株以上の株式を保有する株主に対して、株式の保有数に応じて贈呈されます。贈呈される株主優待の内容は、全国のヤマダデンキで利用できる商品券です。
3月末の権利確定日に贈呈される株主優待は、6月下旬頃に発送され、有効期限は翌年の6月末までとなっています。9月末の権利確定日に贈呈される株主優待は、12月中旬頃に発送され、有効期限は翌年の6月末までです。株式の保有数に応じて贈呈される株主優待の内容は、下記の一覧表をご確認ください。
改悪&廃止された株主優待の内容
ヤマダホールディングスは、2021年3月末の権利確定日分から、株主優待の内容が改悪されました。この改悪により、すべての保有数で商品券の贈呈金額が従来の半額になっています。
また、同時に長期保有特典が廃止されました。長期保有特典の内容は、100株以上の保有を1年以上継続で年間3000円分が追加贈呈、2年以上継続で年間2500円分が追加贈呈でした。株主優待が改悪・廃止されたことにより、優待利回りはこれまでの半分以下となっています。
配当金は決算の3月末に配当
2026年度の配当金は、3月末の期末配当にて、年間1株当たり17円となる予想です。この金額は、2025年度の13円から増配しています。
ヤマダホールディングスの利回り
1株470円で100株購入した場合、投資金額は4.7万円です。配当金は1700円のため、配当利回りは約3.6%になります。また、株主優待として年間で約1500円相当の商品券が贈呈されるため、優待利回りは約3.2%、配当と優待を合わせた利回りは約6.8%です。
株式の保有数に応じた配当と優待を合わせた利回りの一覧は、下記の表をご参考ください。
エクセディ(7278)
エクセディは、MT車のクラッチ関連部品やAT車のトルクコンバータなどの自動車関連部品を製造する企業です。自動車のほかにも、建設機器や農業機器、二輪車に使われている様々な部品の製造も行っており、アメリカやヨーロッパなど世界25カ所に展開しています。
エクセディの株価
2025年8月時点の株価は約4800円です。株価変動は比較的大きく、2018年に約3800円だった株価は、2020年には約1300円まで下落し、2024年には再び約4700円まで上昇しています。2025年4月に一時的に約3800円まで下がりましたが、現在は回復しており、2023年以降は右肩上がりの傾向が続いています。
株主優待のカタログギフトがもらえるのはいつ?
エクセディの株主優待は、毎年9月末の権利確定日に、100株以上の株式を1年以上継続して保有する株主に対して一律で贈呈されます。贈呈される株主優待の内容は、3000円相当のカタログギフトです。カタログギフトは、11月末頃に送付されます。
株主優待改悪の内容
エクセディは、2022年9月末の権利確定日分から、株主優待の贈呈条件が変更されました。この変更により、1年以上の継続保有が条件として追加されています。
贈呈されるカタログギフトの相当金額に変更はありません。しかし、長期保有が必須条件となると、損切りがしづらくなったり、優待目的の短期保有ができなくなったりするため、改悪されたと感じる人も多いかと思います。
配当金は中間配当と期末配当の年2回
2026年度の配当金は、9月末の中間配当で150円、3月末の期末配当で150円の、年間1株当たり300円となる予想です。この金額は、2023年度の90円、2024年度の120円、2025年度の250円から、3期連続で増配しています。
エクセディの利回り
1株4800円で100株購入した場合、投資金額は48万円です。配当金は30000円のため、配当利回りは約6.3%になります。また、1年以上継続して保有すると、株主優待として年間で約3000円相当のカタログギフトが贈呈されるため、優待利回りは約0.6%、配当と優待を合わせた利回りは約6.9%です
まとめ
「ヤマダホールディングス」は株主優待内容の改悪により、優待相当額の減額と長期保有特典の廃止が行われました。しかし、元々の贈呈金額が非常に高かったこともあり、配当と優待を合わせた利回りは6%を超える高水準を維持しています。
「エクセディ」は株主優待の贈呈条件に「1年以上の継続保有」が追加されました。短期保有による投資をしたい人にとっては改悪と言えますが、配当利回りが5%前後の高利回りを毎年維持しており、株主優待がもらえなくても十分魅力的な銘柄となっています。
どちらも株主優待が改悪されてもなお、投資先としておすすめしたい銘柄です。どのような投資を行いたいのかによって、ぜひ投資先として検討してみてはいかがでしょうか?