BTC、結局はイラン情勢次第…
代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は2026年4月1日19時頃、対円では前週(7日前)比約4.2%安の1088万円前後で取引されています。対ドルでは6万68500ドルを挟んだ値動きです。年初来の下落率は依然として約22%弱と上値は重いままです。
ただし、BTCドルは6万8000ドル超えで3月末を終え、月間ベースでは約2%弱の上昇で終えました。月間プラスは昨年9月以来の6カ月ぶりでした。
この1週間もイラン紛争の関連報道で、BTCは不安定な動きでした。BTC円は3月25日つけた1145万台を直近高値に、中東情勢の緊迫を受けたリスク回避の強まりで、27日夜中には1150万円手前まで下げ幅を広げました。
その後BTC相場は、停戦への思惑の強弱で上下しながら、戦争終結への期待感が高まると水準を切り上げています。BTC円は1095万円超え、7万2000ドルから6万6000ドル割れしたBTCドルが、6万9000ドル超えまで切り返しました。

※Trading Viewより
トランプ米大統領、今回は少し違う?
「トランプ大統領、米国が暗号資産革命で勝利し、暗号資産の首都になる」FinTechジャーナル
トランプ米大統領は3月27日、フロリダ州マイアミで開かれた「Future Investment Initiative Summit」で、米国が暗号資産革命で主導権を握るべきだと訴えました。
トランプ氏がまた暗号資産を持ち上げている、と言ってしまえばそれまでです。
しかしながら、今回は少し違うようです。これまでのような相場押し上げ狙いの発言というより、暗号資産を中国との競争を含む国家戦略の一部として位置づけ、米国が主導権を握るべき分野だと強く打ち出しているからです。
もっとも、暗号資産を「自由な市場」の象徴として語ると同時に「世界の首都」の座を競う対象として扱っている点には、やや違和感はありますが…。
「トランプ一族関与のAmerican Bitcoin、ビットコイン保有量が7000BTCに到達」NADA
トランプ大統領に絡んだ暗号資産ニュースでは、トランプ一族が関与するとされるAmerican Bitcoinが目につきました。同社は、マイニング事業と財務保有を組み合わせる形でBTCを積み上げています。上述の記事によれば、現在の保有量は7000BTCに達しました。
ビットコインはもともと、中央管理や政府の関与から距離を置く思想の上に生まれた資産です。そのビットコインを巡って、いまは政策を司る政治家の周辺で現物保有を積み上げているのですから、どこか逆説的でもあります。
相場にとっては追い風になり得る一方で、「国家から自由であること」を掲げてきた資産が、いつの間にか権力に近い場所で価値を高めている。少し皮肉なねじれが含まれているとも言えそうです。
クジラはどっち?
「クジラは売り、企業は買う-ビットコイン需給の二重構造」NADA
ところでこちらの記事を読むと、ビットコイン相場は目先の上値の重さが意識されやすいものの、需給の中身は一方向ではないことが分かります。
取引所では大口資金の動きが活発で、短期的には売りが出やすい地合いが続いています。そのため、価格だけを見ると勢いを欠く印象がどうしても残ってしまうでしょう。
ただ、その一方で公開企業は保有を増やしており、とくに米ストラテジー社のような企業は継続的な買い手として存在感を強めています。ETF経由の資金は全体として伸び悩んでいますが、企業による現物需要はなお底堅いとみられます。
目先の価格が冴えないからといって、市場全体の需要まで弱いとは言い切れません。価格は停滞していても、水面下では長い目線の買い手が着実に増えている可能性があります。

※Trading Viewより
米国の年金が暗号資産に?!
さて興味深いのは、ビットコインが既存金融の周辺ではなく、内部へ入り込み始めていることです。ニューハンプシャー州では、借り手がBTCを厚めに担保として差し入れ、その上で債券を発行する1億ドル規模の枠組みが前進しました。
(ニューハンプシャー州当局、ムーディーズから投機的格付けを受けた1億ドルのビットコイン担保債券を発行へ)
ビットコインをそのまま債券化するのではなく、価格下落時の清算ルールまで組み込んだ設計で、伝統的な債券市場に接続しようとしている点が新しいところです。
加えて、米労働省は3月30日、確定拠出年金「401(k)プラン」で暗号資産を含む代替資産を扱う際の判断基準を明確化する規則案を公表しました。
「数兆ドル規模の401(k)プラン、暗号資産への投資「解禁」へ」NADA
直ちに巨額資金が流れ込むわけではありませんが、企業財務、債券市場、退職資産という大きな資金の通り道にビットコインが少しずつ入り始めているのは確かです。熱狂よりも既存の金融システムに組み込まれていく動きが、これからの需要を底上げしていくのかもしれません。
今週のまとめ↓






