「株主優待をもらったけれど、自分では使わないから家族や友人に譲りたい」
「金券ショップやフリマアプリで見かける株主優待券は、株主本人じゃなくても使えるの?」
このような疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
株主優待は公式サイトに「株主本人以外(家族や友人)も利用可能」と明記しているもの、譲渡禁止ではない無記名の金券や自社商品などは、株主以外の人でも使う(消費する)ことが可能です。
しかし「譲渡・転売禁止」と明記されているものや、本人確認が必要なサービスも存在します。これらを「バレないだろう」と安易に貸し借りしたり譲渡したりすると、優待の取り消しやサービスの利用停止といった厳しいペナルティを科されることがあります。
今回の記事では、公式ルールや具体的な銘柄を交えながら、誰でも使える優待と使えない優待の違いを紹介していきます。
誰でも使える優待・使えない優待の比較表
まずは、どのような優待が譲渡・複数人利用可能で、どのような優待が本人限定なのか、全体像を一覧表で確認しましょう。

※2026年7月時点
株主優待が「誰でも使える」条件3つ
株主優待が「誰でも使える(他人に譲渡できる)」か否かは、以下の3つの条件を全て満たす必要があります。
1. 無記名である、または物としてそのまま手渡せる
名前の記載がない紙の割引券や金券などは、株主以外(家族、友人、第三者)でも利用できます。ただし、公式サイトや規約で譲渡できるかを必ず確認しましょう。
2. 公式サイトや規約に「譲渡可能」と明記されている
企業の株主優待の紹介ページや「よくあるご質問(FAQ)」に、株主本人以外の利用を公式に認める文言を記載しています。記載がある場合は、家族や友人にプレゼントすることができます。
3. 個人アカウントや本人確認(KYC)と紐づいていない
近年増えているデジタル優待や、通信サービスなどの優待は、株主本人のスマートフォンアプリや、本人名義の口座・契約に対して直接付与される仕組みになっています。名義とアカウントが厳密に紐づいている優待は、物理的・システム的に他人が利用することはできません。

誰でも使える(他人に譲渡・利用できる)株主優待の具体例
他人にプレゼントしたり、金券ショップで売買したりできる代表的な株主優待をご紹介します。公式サイトで「本人以外も使える」と明記されているケースもあわせて解説します。
1. ANA・JALの株主優待券
ANAやJALの大手航空会社が発行する株主割引券・株主優待番号ご案内書は、無記名式です。
ANAの公式サイト「『株主優待割引』に関するよくあるご質問 Q.株主優待番号ご案内書は株主の家族や知人でも使うことはできますか?」には「株主優待番号ご案内書は無記名方式のため、ご利用になれます」と明記されています。
JALも同様に「株主割引券は無記名式のため、株主ご本人さま以外の方でもご利用いただけます」と公式サイトに記載があります。
2.クオカード(QUOカード)や商品券・食事券
名前の記載がないプリペイドカードや紙の食事券は、誰でも利用できます。公式サイトなどで利用規約を確認してから使用しましょう。
セブン&アイ・ホールディングスの優待でもらえる共通商品券は、譲渡に関する記載はありませんが商品券のトップページに「いつもお世話になっているあの人や、遠くにいるあの人へ『ありがとう』の気持ちをこめて、贈り物としていかがですか?」と書かれています。
3.自宅に届いた飲食料品・ギフト
自宅に直接配送されるカタログギフトや、自社製品の詰め合わせ、お米などの現物優待です。
利用規約で禁止されていない限り、届いた商品を家族で分け合う、お中元・お歳暮のように友人や親戚にプレゼントすることは問題ありません。
条件付きで使える株主優待
すかいらーくホールディングスの「株主様ご優待カード」は、優待券の残高の範囲で第三者に電子チケットを譲渡する「プレゼント機能」によって譲渡が可能です。
また、複数人で利用することもできます。
また、大手百貨店やスーパーが発行する「株主優待カード」は、本人と家族のみが利用できます。
イオンのオーナーズカードは株主本人と生計を同一にする配偶者・親・子供(18才以上)、高島屋・三越伊勢丹は株主本人と家族が対象です。

誰でも使えない(本人・家族限定・譲渡NG)株主優待の具体例
他人に譲渡できず、株主本人(または同居家族)しか使えない優待を見ていきましょう。他人に譲渡すると規約違反になるため注意が必要です。
1.「譲渡・転売禁止」と明記されている優待
券面や利用規約に「譲渡・転売禁止」と明記されている場合、他人は利用できません。
例えばオリエンタルランド(東京ディズニーリゾート)、アシックス、U-NEXT HOLDINGS、日本マクドナルド、ベルーナ、ルネサンス、松屋などは公式サイトに譲渡禁止の記載があります。
2.本人利用が前提のサービス割引(通信回線など)
本人確認(KYC)が法律で義務付けられているサービスや、個人の契約に紐づく優待です。
楽天グループの株主優待である「楽天モバイル(音声+データSIM)」などは、犯罪防止の観点から譲渡が固く禁じられています。発覚した場合には回線停止などの厳しい措置が取られます。
※上記は「優待銘柄」の紹介であり、購入を推奨するものではありません。企業や財務の分析は筆者個人の見解に基づくものであり、筆者が所属する組織・団体の公式見解ではありません。
本記事で紹介した株主優待の内容は、執筆時点での情報です。優待内容は企業の業績や方針により変更・廃止される可能性がありますので、投資の際は必ず各企業の公式ホームページで最新情報をご確認ください。
まとめ
株主優待は、ANAのように公式サイトで「家族や友人も利用可能」と明記されているもの、同様に規約で禁止されていない無記名の金券や現物は、誰でも使うことができます。
しかし、オリエンタルランド(ディズニー)のように「譲渡禁止」が明記されているものや、本人確認が必要な通信サービスなどは本人しか使えません。
「せっかくもらった優待を無駄にしたくない」「人からもらった優待を使いたい」という時には、まず「無記名かどうか」「公式に譲渡禁止のルールがないか」を確認することをおすすめします。


